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ノジスミレ(撮影・ハナビシソウ2010年3月)

【生活に活きる植物】7・野路菫(ノジスミレ)

 【大紀元日本4月1日】野路菫は日本全土の日当たりのよい山地、道端に生えるスミレ科の多年草。スミレ科の仲間は多く、日本には50種以上もあり、似た種類もあります。無茎類と有茎類に分けられますが、すべてを総称してスミレとも呼んでいますので注意が必要です。無茎類にノジスミレ、コスミレ、スミレなどがあります。ノジスミレは全体に白く細かい毛が多く、中ほどの一対の花弁が無毛です。花は淡紫色~紅紫色で、花芯が見えにくく、芳香があります。花弁の後ろに突き出た袋状の部分を距(きょ)といい、内に蜜があります。スミレとの違いは根が白いことです。スミレ属植物の無茎類の全草を乾燥したものが、紫花地丁(しかじちょう)という生薬です。

 【学名】Viola yedoensis

 身近なその他のスミレには、匂いがあるニオイスミレ、葉に深裂があるエイザンスミレ、黄色で高山に自生するオオバキスミレ、有茎種のオリヅルスミレ、ツボスミレ、パンジーなどがあります。

 【成分】一部の花に精油のパルモン、オイゲノールなどを含む。

 【薬用効果】紫花地丁は心・肝経に働き、解毒、清熱、消腫の効能を有します。とくに皮膚化膿症に有効です。一日量は乾燥物6~30gを煎服します。外用には鮮品を適量使用します。また毒蛇咬傷には、鮮品の搗きつぶした汁を内服します。

 民間薬としては、便秘、関節炎、不眠症、はれもの、打ち身に使用されます。欧米でも以前、血行促進、利尿薬として使用されていました。

 【食用】新芽、若葉をサラダなどで生食するほか、ゆでて漬物、和え物、汁の実、酢の物にします。また、スミレの地下茎を摩り下ろすと「とろろ」のようになるので、卵をかけて食べます。

 パーティーなどでは、スミレの花をブドウ酒の注がれたグラスに浮かべ、彩りと香りを楽しむそうです。

 【その他エピソード】ヨーロッパから中近東原産のニオイスミレは花に強い芳香があり、香料の原料として最近まで栽培されていました。

 また、絶滅に瀕する品種もあります。オリヅルスミレもその一つで、ダムに沈む場所から持ち帰られ、植物園の中で丹精こめて育てられ、今春はじめて白い花が咲きました。

スミレ(撮影・ハナビシソウ2010年2月)

コスミレ(撮影・ハナビシソウ2010年3月)

エイザンスミレ(撮影・ハナビシソウ2010年3月)

ニオイスミレ(撮影・ハナビシソウ2010年3月)

絶滅危惧種・オリズルスミレ(撮影・ハナビシソウ2010年3月)

(文・ハナビシソウ)

 (10/04/01 05:00)