印刷版   

近くて遠い国(China Photos/Getty Images)

日本は凄い、中国はもっと凄い?

 【大紀元日本3月27日】日本と中国、ここまで近くて遠い国は世界中にあるのだろうか。戦争のわだかまりが消えないまま、隣国である日本の発展が中国人には羨ましくもあり、また劣等感にもなっている、反対におごり高ぶった感情などもあって、複雑に織り交ざった心境がある。そんな中、近年、中国の経済成長やスポーツの躍進など、大きな代価を伴ったものの、一見すでに日本を追い越したと思われる側面も出てきた。遠くの目標であった日本が急に身近な競争相手となった今、日本や日本人を分析し、「既に日本を超した」「いや、まだまだだ」「どうしたら超せるのか」のような話題が盛んに巷やネット上、そして本にも登場している。

 『日本は凄い、中国はもっと凄い』(『日本行、中国更行』著者・王錦思)は正にそのような1冊である。「地理上、日本は近い。北京から4時間で東京に着く。心理的には、日本は遠い。歴史が残した爪痕が癒えぬまま、新たな葛藤が絡み付く」。著者はこのように中国人の対日感情を表した。しかし、こんな感情を抱えながらも、盲目的に相手を批判するのではなく、相手をよく知ることで、自らの長所と短所が見え、更なる進歩が得られるのだと著者はこの本で主張した。

 著者の王氏は日本人の長所として、謙虚で学習上手であることを例に挙げた。常に欧米や中国を客観的に分析し、たくさんの国から長所を学び、短所を補うことができたから、今日の日本の発展があったと述べた。

 学習の対象は欧米に限らず、中国についても、中国文化の優れた所を自らの文化に取り入れ、東洋人の思想の根底にある儒教の真髄を代々受け継いだからこそ、現代まで謙虚で、奥ゆかしく、調和のある探求的な日本人と堂々たる「日本製」が生まれたのだと分析した。茶道や書道、和服や漢方、いずれも元をたどれば中国伝来の文化でありながら、日本人がそれらを大切に伝承したからこそ、日本文化として世界に誇れるようになった。また、伝統文化という深い土台の上で、「クール・ジャパン」とも称される世界的に高い評価を得ている漫画などの現代日本独自の文化も生み出した。

 日本とは対照的に、中国は欧米や日本に追いつきたいあまり、自らの伝統文化の真髄を捨て、欧米文化のうわべだけを真似するという一見近道に見える道をたどっているが、地に足の付かない発展になっている。伝統文化や精神を捨てた現代中国人の思想には悲しくも「拝金主義」という安直なものが住み着いてしまい、成熟した発展の足かせになっている。

 今年中にでも国内総生産(GDP)が日中で逆転し、中国は「世界第2位の経済大国」へと成長すると言われているが、著者の王氏はこのことについて、「中国は日本より大きいことを示しただけであって、日本より強いことを示していない」と語っている。凄い日本を本当の意味で追い越し、凄い日本よりも更に凄い中国にするには、劣等感もおごり高ぶりも打ち捨て、日本の長所を認めたうえ、謙虚に日本に学び、足りない部分を補っていくことで、初めて中国はさらなる飛躍が可能であると述べた。

(翻訳編集・心明)


 (10/03/27 05:00)