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民工子弟学校の屋上でピンポンをして遊ぶ子供たち(China Photos/Getty Images)

政府の立ち退きで30校が消える 農民工の子女1万人、学業を断念か=北京

 【大紀元日本3月2日】旧正月休みに入る前の1月18日、北京市朝陽区東壩郷(ドンバーシャン)の「勝龍農民工子女学校」は、最後の日を迎えた。「本校は政府が行う立ち退きの区域に入るため、移転となる」との知らせが父兄のところに届いた。移転先は20キロ離れた公共交通手段のないところ。学校の教職員は職を失い、子供たちが次に通えるところも決まっていない。

 お正月明けの新学期に我が子はどこで教育を受けられるのか。このような不安を抱えている出稼ぎ農民工が、北京市には数多くいる。

 急ピッチで都市建設を進める北京市政府は、今年6月までに、北京の朝陽、石景山、昌平、大興、豊台および門頭溝地区に対して、再開発するための立ち退きを行うと発表した。「中国青年報」の報道によると、出稼ぎ労働者の子女が通っている30以上の学校が立ち退きの区域にあり、1万人を超える義務教育年齢段階の子供が学校に通えなくなる。立ち退きの対象となった北京市朝陽区では、20の学校が取り壊される予定。その中には千人を超す生徒が通う学校もある。

 出稼ぎ労働者は都市部の戸籍がないため、公立の学校に子供を入学させることができない。彼らの子供の教育問題を解決するために建てられたのが「民工子弟学校」。しかし、その学校も取り壊される運命にあり、多くの生徒の編入先は決まっていない。

 取り壊しが決まった学校の校長らは、校舎の弁償問題や学生の編入先などをめぐって北京市政府へ陳情を繰り返しているが、まだ政府からの返答はないという。

 朝陽区「崔各荘実験学校」の校長先生の話によると、当局から学校は違法であり、立ち退きの対象となると知らせられた。「しかし、区の教育部門がずっと正規の学校として、本校に対して管理と指導を行ってきた。区の重点校に定められている」という。

 出稼ぎ労働者の子弟が学校へ通えなくなるのは今回が初めてではない。出稼ぎ先の戸籍を所有していないため、公立校の義務教育を正規に受けることができず、高額の学費と寄付金を要求される。そこで、子弟の就学問題を解決するため、安い費用で入学できる「違法学校」が相次ぎ設立された。ほとんどの教員は教員免許を持っておらず、カリキュラムもない。学校の設備は手作りで、2、3人で一つの机を共有するなど、校舎設備も簡素。北京にはこのような学校が300校あり、そのうち、70校のみが政府に認可されている。政府は数年前から取締りを行っている。

 政府の統計によると、中国は現在出稼ぎ労働者が1億5千万人に上り、約1千8百万の児童が親とともに出稼ぎ先で生活している。

(翻訳編集・楊J)


 (10/03/02 08:29)  





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