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広東省広州市汕頭の玩具生産工場(Getty Images)

米圧力により輸出管理改善に同意=中国

 【大紀元日本3月22日】中国政府は、米政府からの圧力により輸出製品の品質安全向上に承諾した。また中国国内の一部紡績及びアパレル産業を対象とする輸出補助金の撤廃と、米国のアパレル及び知的産業に対する財産権保護への強化に同意している。これについて一部の専門家は、ここ数年他の国との間の貿易摩擦が激化する中、中国の輸出企業が受けた大きな打撃を緩和するための措置と分析する。

 3月3日から14日まで開催された「両会」(全国人民代表大会及び政治協商会議)期間において、全国工商業連合会は中国共産党政府に対して、近年続発する品質安全問題で、各国が中国製品への輸入禁止などの措置実施で、国内一部輸出企業が生産・経営難に陥ったため、また服飾や靴加工品を含む米国などへの輸出製品の品質安全確保及び児童の健康を保護する目的から、輸出製品の品質安全検査を今後より一層厳しくする必要があると、これまで稀でも言える提案書を提出した。

 圧力を掛け続ける米国

 3月12日に米国ワシントンDCで開かれた米アパレル・履物協会 (American Apparel & Footwear Association、AAFA)年度実行委員会会議(AAFA Annual Executive Summit)において、出席した米消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSA)のアイネズ・テネンバウム(Inez Tenenbaum)委員長は、基準値を超える鉛含有量は中国製品の主な安全問題で、米国政府はすでに中国に対し、輸出子供用アクセサリーや玩具の鉛含有量の低減を求めていると示した。しかし、一部の中国メーカーはその要求に応じたものの、代わりに別の重金属を使用していることが発覚しており、米国向けの製品の品質安全問題は依然と潜んでいると指摘した。

 テネンバウム委員長は「われわれは、これらの企業に対しカドミウム、アンチモンなどの有毒金属を子供用アクセサリーに使用しないよう、要求した。これを受け、先日、中国国家品質監督検査検疫総局はすべてのメーカーに対し、子供用アクセサリーに鉛の代替品となるこれらの金属を使用しないよう警告を発した」と述べた。また、同氏は少し前、CPSA代表団と共に中国視察に赴き、衣料品の原材料検査を行い、さらに中国のファスナーとボタンメーカーと直接会談し、品質検査のさらなる強化とボタンやファスナーの製造に鉛を使用しないよう申し伝えたと言った。

 これ以外にも米国政府は中国政府に対し、アパレル産業の模倣品製造行為の制止および米国知的産業の財産権保護を求めている。同年度会議に出席した米通商代表部(USTR)のカーク代表は米国知的産業への財産権侵害行為がアパレルと履物類の輸出製品中で最も多く見られており、非常に厄介な貿易問題に発展していると強調した。

 カーク代表は、アパレルと履物類は全米の税関で押収される模倣品の半数を占めており、もし交渉と外交協議の効果がなければ、米国政府は国際貿易仲裁ルートに基づき、国際貿易法規に従い問題の解決方法を模索するだろうと話した。

 中国と世界各国との貿易摩擦が頻発

 昨年から実施されている中国製タイヤ輸入制限により、中国と世界各国との貿易摩擦はますます激化している。

 今年2月米国商務省は、中国製のプレゼント包装用ボックスとリボンに対し231%の反ダンピング関税を課することを決定した。一方これに対して、台湾メーカーの同様製品に対する関税はわずか4・54%。

 また、商務省の統計によると、09年の一年間で、中国製品に対する反ダンピング・反補助金調査は115件だった。そのうち、反ダンピング調査は合計75件で、総額127億米ドルに達したという。また2010年に入ってから、米国、EU、インド、トルコ、アルゼンチンなどの国が相次いで、中国製油井管、アート印刷紙、PVCプラスチック、グラスファイバー、衣料品などに対し、反ダンピング調査を開始している。

 中国輸出企業が受けた打撃

 3月10日付の「中華工商時報」によると、全国工商業連合会は「両会」期間中、また『企業の反ダンピング調査に関する共同対応促進について』の提案書も提出したという。

 同提案書では、海外の反ダンピング調査は中国関連企業に打撃を与えており、一部の企業は経営難が深刻化し、同時に国内市場にも一定のダメージを与えたと指摘した。また同提案書は、一部の国において実施される中国製品に対する反ダンピング調査の急増で、他の国も中国製品に悪意のある反ダンピング調査の実施に踏み切るとの連鎖反応を引き起こしたと指摘。

 全国工商業連合会は中国製品が海外で頻繁に反ダンピング調査に遭う原因として、非市場経済国家と見なされる中国は、第三者の商品価格及びコスト基準を参照して価格を定めるしかないということが一つの要因であると示す。

 世界貿易機関(WTO)の関連規定によると、提訴国が、輸出国が市場経済ではなくその国内の商品価格が同輸出国政府のコントロールを受けていると認識する場合、あるいは輸出製品がその輸出国政府の補助金を受け、客観的に商品の実際の価値を反映することはできないと認識する場合、提訴国は反ダンピング調査を行う際、その輸出国と経済発展水準がほぼ同様な市場経済国の商品価格を基準に、輸出製品の真の価値を測ることができるという。しかし多くの場合、基準として選ばれる第三国の生産コストは中国よりもかなり高いため、中国製品に対する反ダンピング関税も非常に高くなるという。

 前米国商務次官で世界最大規模の法律事務所のひとつであるエイキン・ガンプ(Akin Gump Strauss Hauer) のマリオ・マンキューゾ(Mario Mancuso)氏は米国政府の対中の強い姿勢は貿易問題に対するもの、特に中国に対するものではないとし、また金融危機以降多くの米国人国民が消費を控えて所得を貯蓄に回す傾向が強まっているため、近い将来中国の輸出産業に打撃を与えるだろうと述べた。

(翻訳編集・坂本)


 (10/03/22 10:56)  





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