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紅梅(写真・大紀元)

【ショート・エッセイ】  春の前の春へ

 【大紀元日本3月28日】

 2月末の休日、ひそやかな春の便りを求めて外へ出た。

 うららかな陽光。

 ひと月前の凍りつくような寒風も、今はほとんど忘れ去った記憶に等しい。

 足元の福寿草が、昨夜の柔らかな雨にぬれていた。

 梅と椿が見頃なのは言うまでもない。

 少し歩くと、一すじの川津桜の枝先に、淡紅色の小さな花がついているのが目に入った。

 私を待っていた人のように静かに佇む桜の若木。

 それに出会えて心が弾んだ。

 春はもう目の前。

 そんな今の季節が、春と同じくらい好きだ。

椿(写真・大紀元)

(埼玉県・S)

 (10/03/28 05:00)