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ヒツジがおとなしい動物のわけ(clipart.com)

ヒツジの選択

文・静茹

 【大紀元日本3月31日】人にはそれぞれ生まれ持った長所があるものである。しかし、その長所は別の角度から見れば短所に変わってしまう可能性がある。次に挙げるヒツジの物語、あなたならどう選択するだろうか?

 ヒツジはおとなしい動物であるため、多くの動物からのいじめに耐えなければならない。この耐えがたい苦難を軽減してもらうため、ある日、ヒツジは雲・雨・雪・雷などを司る神、ゼウスのところを訪ね、お願いに上がった。

 ゼウスは、「おまえに自衛できる能力を与えていなかった。では、おとなしくて弱いという欠点を克服できる方法を自分で選びなさい。選んだものは私が与えよう」とヒツジに伝え、「おまえの口に恐ろしい牙を付け、足に鋭い爪を与えよう」と提案した。

 ヒツジ「いいえ。僕は猛獣と同じようになりたくはありません」

 ゼウス「では、おまえの唾液に毒素を与えようか」

 ヒツジ「僕は毒蛇の仲間になりたくありません」

 ゼウス「では、おまえの額に角をつけ、首を強く太くしようか」

 ヒツジ「それも好ましくありません。そうすると、僕はヤギと同じように喧嘩っ早くなってしまいます」

 ゼウス「しかし、おまえが他の動物からいじめられないようにするためには、他の動物を傷つける力が必要だろう」

 ヒツジ「慈悲たる神ゼウスよ。それなら、今のままでいさせてください。なぜなら、自分が他の動物を傷つける力が身に付いたら、きっと、他の動物をいじめる欲望も現れてしまいます。僕にはそれが心配です」

 それからというもの、ヒツジは苦難を訴えたり、不平をこぼしたりすることはなかったという。

 『莱辛寓言』より

(翻訳編集・豊山)


 (10/03/31 05:00)