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「花」は「華」から(新唐人テレビ)

【悠遊字在】漢字の由来(三) 「花」は、咲く季節(とき)を知る

 【大紀元日本3月26日】空気まで桃色に染められたような華やかな桜の季節が、もうすぐそこまで来ている。満開に咲き競う桜並木にひらひらと花びら舞い落ちる桜小道、水面に映える桜色に幻想的な世界へといざなってくれる夜桜…人々はしばしこの春爛漫の風景に酔いしれる。しかし、こんな美しい桜の季節も瞬く間に過ぎていく。「花」は咲く季節(とき)を知るかのように、人々を魅了してははかなく消えてゆく。これは自然の営みというもので、私たちの生活もそれによって彩られている。

 しかし、中国には、この自然の営みさえも思うままにしたいと考えた皇帝の話が伝えられている。それは中国の歴史上唯一の女帝「則天武后」(武則天)にまつわる話である。

 伝説では、花にはそれぞれその一生を司る仙女がおり、さらにはその仙女たちを取り仕切る百花仙女がいるという。ある冬の日、則天武后とその娘の太平公主は宮中でお酒を楽しんでいたが、酒に酔った則天武后は、ふと花見を思いついた。しかし、花園は真っ白な雪に覆われ、梅などの冬の花以外は花どころか、葉っぱすら見られなかった。怒った則天武后は花々に「明日の朝までに咲かなければ厳罰に処する」と命じた。

 花の仙女たちはこの命令を聞いて皆驚き怯えた。花は決められた季節以外に咲くことは許されない。しかし、咲かなければ皇帝の罰を受ける。引き抜かれてしまえば、子孫も残せなくなる。困った仙女たちは百花仙女に助けを求めに行ったが、どこにも見当たらない。途方にくれた仙女たちは世に降り、おきてを破って花に開花を命じた。

 そんな中、牡丹仙女だけは主人である百花仙女をいつまでも捜し続けたが、結局捜し出せず、やむを得ず牡丹に開花を命じた。ところが、時すでに遅し。則天武后の花見に遅れてしまったのだ。これに怒った則天武后は、宮中の牡丹をみな引っこ抜き、洛陽に移し替えるよう命じた。洛陽が「牡丹の都」と呼ばれる所以である。

 残忍さで知られ、天のおきてを破ってまで自分の権威を見せ付けたとされる則天武后であるが、実は天の意に従って女帝となったという説もある。

 則天武后が生まれて間もない頃、袁天鋼という名の道士が彼女の人相を占い、必ず天に昇る人だと言ったという。有名な予言本『推背図』の中でも、則天武后が女帝になることが予見されている。彼女は唐太宗の崩御で一度は出家するものの、後にまた数奇な運命で入宮を果たし、占い通りに女帝まで上り詰めた。花も人間も実は、自然の摂理、自然の営みに従っているのかもしれない。

 さて、仙女たちがその一生を司ったと言われる「花」は、実は「華」から変化したものである。「華」は形を表す象形文字で、一本の幹から方々にたくさんの枝が伸び、生き生きと花が咲き乱れる様子を表している。現在でこそ、形声文字の「花」(意味を表す草冠に音を表す「化」)が使われるが、美しい様を形容するときには、「華やか」のように、今も「華」の字が生きている。

 ※新唐人テレビでは、この話を映像でお楽しみいただけます。

(翻訳・河合、編集・心明)


 (10/03/26 05:00)  





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