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オバマ米大統領(左)とロシアのメドベージェフ大統領。13日、核安全保障サミットで(Andrew Harrer-Pool/Getty Images)

核安全保障サミット:米ロ、プルトニウムの発電所利用に合意

 【大紀元日本4月15日】4月12、13日の二日間にわたりワシントンで開催された核安全保障サミットで、米国とロシアが、合計68トンのプルトニウムを原子力発電所の燃料に転換することで合意した。

 オバマ大統領は、13日朝のセッション前に、今回のサミットは「世界の安全を脅かす最悪の兵器」について話し合うだけでなく、実際に行動する機会であると語った(CNN報道)。同サミットは、核兵器がテロリストに渡ることを防ぐためのオバマ大統領の大規模な戦略の一部。危険な核燃料の安全をはかるための各国首脳の集まりは、これまで開催されたことがなかった。

 13日、ロシアのメドベージェフ大統領は、ワシントンで開催されている核安全保障サミットで、最後の兵器級プルトニウムの原子炉を閉鎖することを表明。同施設は、シベリアのジェレズノゴルスク(Zheleznogorsk)で、52年間稼働していた。

 「この重要なステップは、核安全問題をリードするロシアの立場をさらに示すもの。我々が共有するグローバルな取り組みに、はずみをつけてくれた」とオバマ大統領は、ホワイト・ハウスからの声明で述べた。

 米ロ両国は、それぞれ34トンのプルトニウムを廃棄することでも合意し、クリントン米国務長官とロシアのラブロブ外相が合意書に署名した。CNNの報道によると、クリントン国務長官は、「プルトニウムの処分には不可逆性と透明性を要する」ことを指摘した。

 今回の合意書に基づき、 民間の原子力発電所で使われる「MOX燃料」に転換されるプルトニウムは、1万7千発の核弾頭に相当するという。

 両国の軍事計画で構築されてきた兵器級プルトニウムの処理については、2000年に協定が結ばれていたが、プルトニウムを発電所での燃料に転換する処理過程は、ロシアにとって満足のいくものではなかったことと、先進国が約束したロシアへの融資が実現しなかったことが理由で、2000年協定の実行はこれまで立ち往生していた。

 13日の協定によると、米政府はロシアに、転換コストのほとんどにあたる4億ドルを支給する。転換のプロセスは複雑で、実際のプルトニウムの廃棄が始まるまでには8年かかる可能性がある。「ワシントンポスト」によると、高官らは2030年頃に廃棄完了の見込みと語る。

 核爆弾に必要なプルトニウムは、量にするとグレープフルーツの大きさに過ぎず、安全確保は難しくなる一方であると、「ワシントンポスト」は専門家の意見を引用している。

 メキシコ、兵器級ウラン使用に終止符

 13日、米国、カナダ、メキシコが、メキシコの研究用原子炉を低濃縮ウランを使用する設備に転換する共同合意を発表。核兵器として利用できる高濃縮ウランを全て廃棄することとなる。この合意により、北米大陸の核安全保障が強化される。

 同原子炉の転換は、国際原子エネルギー機関 (IAEA)の支援を受けて行われる。メキシコのフェリペ・カルデロン大統領は、「メキシコは、核によるテロの防止・抑制に深く取り組む」ものであり、「核関連原料の不法な密輸が生じるリスクを抑えることにつながる」とホワイトハウス発表の声明で、述べている。

 オバマ大統領は「この重要なステップを歓迎する。三ヶ国の強い絆と北米での核安全への深い取組みを共有することを示すもの」と語った。

 その他、▼チリが高濃縮ウランを転換するために米国に輸送▼ウクライナが高濃縮ウランを2年以内に国外に輸送することに合意▼カナダが使用済みの高濃縮ウランを核兵器として使用できない形に転換するために米国に輸送することに合意などが、今回のサミットでまとまった。

 同日午後、47カ国の首脳らが参加した二日間にわたる同サミットは、共同声明を採択し閉幕した。

(記者・Nicholas Zifcak、翻訳編集・鶴田)


 (10/04/15 07:32)  





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核安全保障サミット  ロシア  プルトニウム  発電所利用  メキシコ  ウラン  


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