国外逃亡汚職幹部の取締 中国の協力要請に米消極的か

2014/12/31
更新: 2014/12/31

【大紀元日本12月31日】中国政府系英字紙チャイナ・デーリーは29日付の報道で、国外逃亡汚職官僚の不正蓄財を押収するため、中国は米国と関連協定の締結を検討していると報じた。

中国当局は今年7月下旬から、国外逃亡を図る腐敗犯罪の官僚と民間人を取り締まるため、「猟狐活動(キツネ狩り」という捜査プロジェクトを展開している。

同報道によると、中国人民銀行(中央銀行)と米財務省の関連部署は、同不正蓄財の回収に関する協定について、話し合いを進めている。一方、ロイター通信によると、米財務省報道官は話し合いについて明言せず、「マネーロンダリングや汚職、テロに関わる資金から金融システムを守るため、外国と情報を共有するのはよくあること」と発言するに留まった。

一方、米国務省のラスケ報道官は29日の定例会見で、このことに関する記者の質問に対し、「現時点では新たな協定を考えていない」と答えた。

米国やカナダ、オーストラリアは中国汚職官僚の主要な逃亡先とされているが、中国はこれらの国と「犯罪人引渡し条約」を結んでいない。

中国政府系メディアのこれまでの報道によると、中国はカナダやオーストラリアとも同様の協定の締結を目指しており、カナダとは締結される見通しである。

豪メディアは「わが政府は協力する意向」と報じた。

官僚の汚職が極めて深刻で一大社会問題と化した中国。米シンクタンクのグローバル・フィナンシャル・インテグリティ(GFI)の2012年発表のリポートによると、2000~11年の間に海外に流出した不正資金の合計は300兆円に上り、中国の国内総生産(GDP)の1割弱に相当する規模である。

(翻訳編集・叶子)
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