五輪組織委の森会長発言、「あってはならない」と菅首相

2021/02/05
更新: 2021/02/05

[東京 4日 ロイター – 菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で森喜朗・東京五輪パラリンピック組織委員会会長による女性蔑視ととられかねない発言について「あってはならない発言」と語った。五輪開催を衆院解散などに利用することはないと明言。今の日本にとって最も大切なのは新型コロナウイルス収束とし、五輪開催には地域医療体制の確保を重視すると説明した。

立憲民主党の枝野幸男代表や菊田真紀子委員への答弁。

森会長の発言について菅首相は最初「詳細は知らないが、スポーツ分野でも女性の社会参画は大事」と指摘した。その後、森氏発言を確認した上で「あってはならない発言」だと述べた。

枝野氏や菊田氏は森会長による発言は海外からも批判され国益を損なっているとし、森氏の辞任を求めた。

<五輪利用した衆院解散、ない>

首相はまた、「安全・安心な大会にするため、コロナ対応をはじめ、医療体制の確保は極めて重要。地域医療に支障が生じないよう、大会で必要な医療体制確保をできるよう調整する」と述べた。

首相は「五輪は多くの国民の理解、歓迎の下でやるべき。そうした大会になるよう、全力で取り組んでいく」と強調した。

今の日本に最も重要なことはとの質問に対して「コロナ収束が最大の課題、そして傷んでいる景気・経済の回復」と回答した。

国民の理解が広がっていない五輪を強行開催し衆院解散に利用するのではとの質問に対して、「解散は今年10月までに実施しないといけないことが決まっている」としたうえで「判断するのに、五輪を利用する考えはない」と述べた。

*内容を追加しました。

(竹本能文※)

Reuters
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