THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(41) 日本の小学校  (1996年) 上

2010年06月28日 07時00分
 【大紀元日本6月28日】英国の南西端でのバイリンガル子育て。まわりに日本語の環境はない。なんとか日本語をつないでいくために、2年に1度、日本を訪れることに決めていた。5歳の時、幼稚園に三週間入っていたので、7歳でも体験入学を経験してもらおうと思った。実家の母に頼んで近所の小学校に連絡してもらったら、教育委員会に連絡してくれとのこと。教育委員会から依頼されたら断れないということだった。

 イギリスは毎年イースター休みが別の時期に変わるため、春休みの日程も年によって異なる。その年は、イギリスの春休みは日本に比べて一週間ほど遅かった。というわけで、5日間の体験入学をさせることにした。入学式の体験は、学校が落ち着かない時期ということで、断られた。

 3月生まれの娘は、7歳になった翌月に日本の小学校の2年生となる。幼稚園とは大違いで、時間割もきっちりしていた。 校長先生と担任の先生と私だけで面談し、ひとしきりイギリスの学校に関する私の愚痴を聞いてもらった。担任は、とても大らかで素敵な女性の先生だった。

 イギリスの学校では、業者が外から入り、カフェテリア形式で子供が好きな物を選べる。家からサンドイッチをもってきてもいい。だから「給食当番」というのは目を見張る体験だったようだ。1週間のメニューも廊下に貼ってあった。どれも残さずよく食べたようだ。給食の前と後に、みんなで「いただきます」と「ごちそうさまでした」の挨拶をする。ベテランの担任の先生は、ジェスチャーを生徒に教えて、手を大きく動かしながら「いただきます」と叫ぶようだった。さりげなく集団生活が導入されている。

 掃除当番というのもイギリスにはない。掃除婦さんが外から雇われる。雇い主は地方自治体。

 教師は教えることだけをして、掃除はしない。整理整頓はさせるが、担任の監督のもとでほうきやチリトリを使って掃除することはまずない。イギリスでは掃除が生活面の指導という形で扱われることはないようだ。

 最後の日に日本の担任の先生から、「一生懸命、机を運んでくれました」と言われた。物珍しさもあったに違いないが、本当によい体験をさせてもらった。 後でイギリスの小学校の校長先生に日本の掃除当番の話をしたら、教師に掃除をさせたら組合が黙っていないというコメントをもらった。

 (続く)

 著者プロフィール:

 1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。

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