THE EPOCH TIMES

世界を買い込む 中国大陸の観光客(二)

2010年09月19日 15時55分
 【大紀元日本9月19日】秋葉原の電器街、いたる所で聞こえてくる中国語。銀座の高級店で、中国人に一掃されたため入手困難となったブランド時計。ニューヨークの5番街で、大金を惜しまず競ってブランドバッグを買い、豪州で贅沢な住宅と土地を購入する中国人。世界を買い込む中国大陸の観光客たち。

 以前は、香港やマカオからの観光客が中国人旅行者数の3分の2を占めていた。しかし、今日では、カメラを持って海外ツアーに参加する中国大陸の観光客が世界各地で見られる。今日の中国人は本当に金持ちになったのだろうか。9月第188期の海外中国語週刊誌「新紀元」は、世界各地を飛び回る中国大陸の観光客の様相を描いた。

 2007年12月、中国公民外国旅行目的地(ADS)の許可を得たアメリカや、2009年7月に中国の富裕層(年収25万元以上)を対象に個人観光ビザの発給を開始した日本、また、今年夏から中国人への観光ビザ発行条件を緩和すると発表した韓国など、経済低迷中にある世界各国政府は知恵を絞り、中国人向けの観光市場を「経済回復」の一策として、中国という巨大市場を狙っている。

 本サイトでは4回に分けて、ヨーロッパ、ニューヨーク、日本、豪州を訪れたこれらの中国人観光客を紹介する。中国人観光客に見られる新たな海外観光の傾向に続き、今回はニューヨークで買い物をする様子を紹介する。

ニューヨーク5番街での買い物とサマーキャンプ

@文、摄影・楊新念


 ニューヨークのマンハッタンを南北に縦断する
記念写真を撮っている中国人観光客

「5番街」の通りには、セントラル・パークを眺望できる高級マンションや歴史的な大邸宅が立ち並んでいる。特に34丁目と59丁目の間は、ロンドンのオックスフォード通りやパリのシャンゼリゼ通り、ミラノのモンテナポレオーネ通りと並んで世界の最高級の店が立ち並ぶ商店街がある。 

 ニューヨークの裕福さの象徴である5番街は、ブランド物が好きな中国人観光客が必ず立ち寄る観光名所である。最高級の名店がたくさんある街でショッピングするのは彼らの夢であり、皆に自慢できる話題である。

 中国人に優しくなった高級店

 「昔の5番街の高級店では、中国人観光客に対する接客態度が悪かったが、今は180度態度が変わり、Cartier(カルティエ)やLV(ルイ・ヴィトン)など多くの高級店では、販売のための中国人スタッフ
家族で旅行している中国人観光客

を置いている」と、旅行会社のガイドをしている盧銘(ルウ・ミン)さんは語る。

 ブランド物の時計、カバン、真珠や宝石などは中国人にとても人気がある。一度に3~5万ドルの有名ブランドの時計を買い、一個2~3万ドルもするブランドのカバンを数十個も購入する不思議な中国人は、ここ5番街では珍しくない。

 中国人観光客の分厚い財布を狙っているお店では、彼らの関心を引くために、様々なPR活動を実施している。今年の年明けに行われた、Cartier店主催の中国人向けの抽選会では、数十万ドルの景品が用意されたほか、中国人ガイドのための宴席も用意された。さらに、政府主催の中国華人新年「千人旅行団」活動に際し、古い歴史のあるMacy’s(メイシーズ)のデパートでは、中国獅子舞と龍踊りを繰り出して中国の新年を祝った。エンパイア・ステート・ビルディングでは、夜の時間帯は閉鎖して、中国人観光客のみを接待した。そして年明けの数日内に、中国人観光客がアメリカ経済に貢献した売り上げは600万ドルにも達したという。

 中国人観光客向けのアンケートによると、中国人が一番憧れる観光地はアメリカである。しかし、毎年海外旅行に出る約5千万人の中国人のうち、アメリカの観光ビザを手に入れられるのはわずか1%に過ぎない。入国を許可された多くの中国人は、アジアを始め、ヨーロッパ、アフリカなどの国々を旅行したことのある富裕層である。十分な経済力と信用を持たないかぎり、アメリカの入国は厳しいのである。ところが、08年からは、中国人観光客向けの宥和政策が実施され、今年訪米する中国人の数は22万人を上回り、昨年度より約22%増えるだろうと、アメリカ商務部は予想している。

 旅行業界間の悪質な競争

 昔はニューヨークでも、香港のように観光客に買い物を強要することがよくあった。ガイドは中国人観光客を5番街のギフトショップに連れて行き、出口を閉め、ある程度の買い物をしない限りは彼らを連れて帰らなかった。ガイドは店の人と裏取引があり、買い物した額の歩合をもらっていたのだ。旅行会社と裏取引のあるこれらの店は、ほとんど中国人が経営している。

 しかし、情報が発達している今現在、そうすることはだんだん難しくなっている。旅行ガイドの盧銘さんは「アメリカ観光に来る人は、他の国にもよく行っているので、商品の値段などを良く知っている。彼らは直接5番街の高級店に入って買い物をしている」と話した。

 とはいえ、旅行団のスケジュールにはまだ「ギフトショップ」で買い物をする予定が載っているところがある。中国の観光業は、料金値下げで競争が激化し、店からの歩合で利益を補填しなければいけないからだ。

 旅行会社を経営している唐強(タン・チャン)さんは、「米国は、ここ2年間、中国人に観光ビザを開放し、観光業は多少利益があるが、しばらくすると、ヨーロッパの観光業のように過当競争に陥り、利潤を得られなくなるだろう」と語る。ヨーロッパに行く中国観光団の多くは、中国の旅行会社を通じて入国し、中国資本のホテルに泊まり、中国資本の免税店で買い物をし、また中国資本のレストランで食事をするようになっているのだ。

 米国サマー・キャンプ 中国の青少年たちの観光ブーム 

 中国の青少年たちの間では、米国のサマー・キャンプに参加するという観光ブームが起きている。今年は約5万人の中国の青少年たちが渡米し、サマー・キャンプに参加した。サマー・キャンプは、アメリカの各名門大学が共催しており、中国の父母が関心を持つような専門的な活動と授業スケジュールが用意されている。これらの活動に参加することにより、青少年たちの国際的な競争力を高めることが期待されている。
サマー・キャンプに参加している青少年たち



 中国の青少年たちにとって、米国のサマー・キャンプは確かに魅力的だ。サマー・キャンプを通じて、同じ年齢層の米国の学生たちと接し、互いの文化の違いを見つけ、遊びの中から新しいことを学ぶことができる。

 13歳のエン・モンヨウ君は「たくさん遊べるアメリカの学生たちが羨ましい。彼らと過ごした日々は、遊び、手工芸、水泳など盛りだくさん。時間の無駄だと思う人もいるかも知れないが、私は遊びの中から良い仲間と出会い、たくさんの知識を得ることができて良かったと思う」と興奮した口調で語ってくれた。

 また14歳のタン・セイ君は、「ここで過ごしたことは、全てシンプルな遊びでした。私は今までこのように遊んだことがありません。中国にいた時は、一日中勉強ばかりでした」と話した。

 サマー・キャンプには、米国の司法システムや新聞業などの、様々な社会生活が経験できるプロジェクトが設定されているほか、音楽祭での出演があったり、大学申請の手続きなども教えてもらえる。そしてテレビ局のスタジオで、番組制作の流れなどを見学することもできる。

 サマー・キャンプに参加する中国の青少年たちは、全国から集まり、13歳から17歳までの中・高生がメインで、9歳の小学生も見受けられた。

 中国にいる多くの親は、子供の将来のためなら、一度のサマー・キャンプのために2~4万元(約25~50万円)の金額を喜んで支払う。しかし、この金額は普通の家庭にとっては約1年分の総収入に当たるという。

 次回は、日本を訪れる中国人観光客のコンプレックスを紹介する予定。

(翻訳編集・柳小明)


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