THE EPOCH TIMES

世界を買い込む 中国大陸の観光客(四)

2010年09月25日 12時00分
 【大紀元日本9月25日】秋葉原の電器街のいたる所で聞こえてくる中国語。銀座の高級店で、中国人に買い占められたために入手困難となったブランド時計。ニューヨークの5番街で、大金を惜しまず競ってブランドバッグを買い、豪州で贅沢な住宅と土地を購入する中国人。世界を買い込む中国大陸の観光客たち。海外中国語週刊誌「新紀元」第188号は、世界各地を飛び回る中国大陸の観光客の様相を描いた。本サイトでは4回に分けてそれを紹介する。

 これまでの3回では、ニューヨーク、日本、豪州を訪れた中国人観光客を紹介してきたが、最終回の今回は、古い文化に満ち溢れたヨーロッパで出会った中国人観光客を紹介する。

ヨーロッパ文化との出会い
文@黄芩

 自国が文明的な古国であることを誇りにしている中国大陸からの観光客は、ヨーロッパの人々が今も文化を大切にしていることに感動し、あわせて、自国の文明がすでに自分たちから遠く離れていってしまったことに気づく。

 海外の観光地として、ヨーロッパは中国人観光客に好まれる。ヨーロッパの文化を体験し、風景を味わい、ブランド品を購入するほか、工業化された生産管理の経験を学ぶことがヨーロッパを選んだ理由のようだ。ユーロの下落につれて、中国人観光客の数は上昇し続けている。

 熱狂的なショッピングブーム

 「先週、ラファイエットの前に長い列ができており、1時間以上も待たされた。店内のお客の7、8割が中国大陸からの観光客で、彼らはルイ・ヴィトンのバッグを、野菜を買うように競って買っていた」と、あるドイツのガイドがパリでのできごとを話した。

 ユーロの下落により、中国人観光客の購買力が急増した
ユーロの下落に伴い、中国大陸からの観光客のヨーロッパでの購買力が上昇している(AFP)

。スイス製の時計を例にとると、以前のティソ、ロンジン、オメガ、ロレックスから、最近はカルティエ、ヴァシュロン・コンスタンタン、パテック・フィリップへと、彼らが買う時計のブランドと価格が上昇している。海外に出る汚職官吏のランクもますます上がっていると揶揄する人もおり、先月ベルリンでは、観光ツアーに参加した3名の中国高官が、一気に30数万ユーロ分の時計を購入したという。

 中国大陸の高官が家族全員を連れてヨーロッパを旅行しているのをよく目にする。彼らは帰国に当たって税関を通る時、税金還付シートを山ほど持っている。ある時、酒に酔った高官がガイドに、「今、中国国内では、悪い遊びやどんな悪事をいくらやっても調べられないから、大丈夫だ。ただし、あまりたくさん横領してはいけない。訴えられると、厄介なことになるので」と本音を漏らした。まさに漫才に言うように、「お金をたくさん稼ぐことが有能ではなく、お金をたくさん稼いでも捕まらないのが有能だ。権力があることが有能ではなく、権力があっても捕まらないことこそが有能なのだ」

 また、旅行団の中では、こんな現象が普遍的に見られる。もし、団のリーダーが買い物をしない場合は、他の団員は、お金があってもみんなの前で買い物することは控える。なぜなら、お金の出所が不明瞭なので、他の人から告発されたくないからだ。

 メンツ丸つぶれ

 ヨーロッパには、中国人観光客の迷惑な行動に、中国語で告示を張り出して警告するホテルがある。「もし、ホテルの設備を壊したら、実費で弁償すること」といった内容の契約を中国人観光客と結ぶケースもある。

 ある日の夜中、中国人客がガイドに、「うっかりして、浴室の水が廊下へ溢れ出てしまった」と報告した。ガイドは、「これではホテル側はじゅうたんを交換することになるし、何日もそこにお客が泊まれないことになるかもしれない。そうなれば、すべての損害をこちらが弁償しなければいけない」と伝え、彼らは慌てて大きなタオルで水を拭き取り始めた。そのお客は、水が漏れたことを黙ったままでチェックアウトしようと考えたが、ガイドは、もし黙ってチェックアウトしたら、さらに大きな責任を負わなければならないということがわかっていたので、ホテル側に水漏れのことを伝えた。すると、幸い、ホテル側の従業員たちが彼らと一緒になってじゅうたんを乾かしてくれ、罰金には至らなかった。

 パリの四つ星のホテルで、中国大陸から来た女性観光客が、大広間のきれいな大理石にタンを吐いた。彼女は、ホテル側から「歓迎されないお客」と宣告され、数十人の団員たちが黙って見守る中、仕方なくその場を離れていった。

 また、ドイツのあるホテルに、「大広間では大声で騒がさないでください。通路を遮らないでください。従業員の椅子に座らないでください」と中国語で張り紙がしてあった。ある中国人のお客は、それに納得がいかず、カウンターで説明を求めた。すると、ホテルの従業員は、「今ちょうど、中国からの団体客が入ってきたので、彼らの行動を見てみましょう」と言った。案の定、中国人観光客たちは大広間に入ったとたん、大声で話し始め、荷物を主要な通路に置いて遮った。そのうち、あるお客は従業員専用の椅子に座ってしまった。説明を求めに来たお客は、この光景を目のあたりにして、何も言えずにその場を立ち去った。

 ヨーロッパの環境と文化に衝撃

 ヨーロッパは民主政治の発祥地であり、キリスト教文明の揺りかごでもある
ルーヴル美術館には、中国の文物が3万点以上収蔵されている(AFP)

。ノイシュヴァンシュタイン城、ベニス運河、ルーブル美術館、美食やアート、多くの音楽家や文豪を生み出したヨーロッパには、ルネッサンス時期の文明が依然として輝いており、皇室の高貴さがいたるところに溢れている。

 ヨーロッパを訪れた中国大陸の観光客にとって、最も印象深いのはその環境と文化である。彼らはきれいな環境にいたく感心し、見事に保存されている文明に感激する。

 いたるところ、緑の芝生と森林に覆われ、新鮮な空気が満ちている。多くの観光客は、「ヨーロッパで2週間過ごしても、革靴を磨く必要がないし、鼻の中も黒くならない」と驚く。ある大陸の高官がドイツのババリア村を見学した時、「40年前の河西回廊はここよりもっと美しかった。しかし、今は環境が破壊されてしまい、もう昔の姿は消えてしまった」と感慨深げに語ったことがある。

 見事に保存されている建築物にも、中国人観光客は驚く。ヨーロッパでは、大都市であろうが小さな田舎町であろうが、幾度の戦争と天災に見舞われようとも、古い建物がきれいに修復され保存されている。たとえば、第二次世界大戦では、ミュンヘンなどドイツの大都市はすべて破壊されたが、彼らは地下室から都市の青写真を掘り出し、街並みを元の状態に復元した。ルーブル美術館を見学したことのある中国人観光客は、2、3千年前の芸術作品が完全に保存されているのを見て、ため息をつく。

 また、文明というものは、日常生活のささやかな点にも反映されるもので、その点でもヨーロッパを訪れる中国人観光客は中国との違いを実感する。

 たとえば、ヨーロッパは「高収入、低物価」なので、一般庶民の生活水準は中国民衆より高い。そのほか、ヨーロッパの生活リズムは比較的緩やかで、心地良くゆったりとした質の高い暮らしができる。特に、ヨーロッパ人の処世術は中国人と正反対で、とてもフレンドリーで、進んで他の人に挨拶し、人助けをする。

 今や自国では伝統文化から遠ざかってしまった中国人観光客たちは、ヨーロッパの文明がもたらした衝撃で、言葉では形容できないほどに落ち込んでしまう。ある観光客は、「実は、中国人が国外に出かけて最も知りたいことは、現地の文化であり、最終的に求めたいのは、心の浄化と安らぎなのです」と感慨深く語った。

(翻訳編集・李頁)


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