がんの疲れを癒す2つの簡単なエクササイズ

がん患者の中には、がん治療の痛みや疲労が蓄積し、長い間寝たきりになってしまう人も少なくありません。しかし、体を動かすことは健康にとても重要です。体力のないがん患者が体を動かすにはどうしたらよいのでしょうか。この記事は、漢方医が理解を深めるために書いたものです。

体内の陽気(エネルギー)源は2つあり、1つは食事、もう1つは運動です。 いくら休んだり寝たりしても、寝れば寝るほど疲れてしまうという経験は、ほとんどの方がお持ちだと思います。

中国伝統医学には「久臥傷気」という言葉がありますが、横になればなるほど、気は消耗していきます。これは、あまり動かないと体の陽気(エネルギー)が低下するからです。そのため、適度な活動は体に良い影響を与えます。

病気で弱っているがん患者さんや、化学療法、放射線療法、手術後の患者さんには、適度な運動が重要で、穏やかな運動を中心に行ってください。次の2つの簡単エクササイズは、陽気を高めるのに役立ち、様々な病気の人にも適しています。

1.ウォーキング

ウォーキング自体は、とてもシンプルで穏やかな運動ですが、効率良く運動するためには以下のいくつかのコツがあります。

◎あごを少し上げ、背筋を伸ばし、お腹を引き締め、内ももに少し力を入れます。 腕の振り幅は「前:後ろ=3:4」で、腕の内側は体に近づけて振ります。 強く踏みしめるようなイメージで、かかとから順につま先に向かって歩きます。

◎歩くペースは通常よりも少し速めにすることで、体の機能を変化させることができます。一般的には1分間に100~120歩が最も適しており、遅すぎるとあまり効果が得られません。ここまでのスピードが出せない人は、人と会話しながら歩けるペースでウォーキングするといいでしょう。

2.腕を伸ばし、胸を張る

このエクササイズは、肺活量の増加、リンパの流れの改善、猫背の改善、体の引き締めなどの効果があります。とてもシンプルで簡単にできます。

◎両手をまっすぐ前に伸ばし、手のひらを向かい合わせにして、右足を前に踏み出し、左足のかかとを上げてつま先立ちをします。腕を上げながら両手のひらを外側に向け、腕と内ももの内側に力を入れ、お腹をへこませてお尻に力を入れ、顎を少し上げ、舌を口蓋につけて歯を食いしばります。

◎もとの状態に戻し、左足に変えて同じことを行います。これを10回繰り返します。

(翻訳・志水慧美)