THE EPOCH TIMES

「目標は人に言わない」 ゴールまでの一歩と錯覚 

2010年10月28日 07時00分
 【大紀元日本10月28日】「3キロダイエット目標達成のため、毎朝5キロジョギングするぞ」

 「中国語をマスターするため、ヒアリング、ライティングをそれぞれ1時間、毎日することにしたんだ」

 「会計士になるため、僕は夜中2時まで勉強しようと思ってね・・・」

 人は目標を打ち立てたら、つい周囲の友人や肉親に話したくなる。立派な目標を公言すると、周りの人はあなたを褒めて、いい気分になってしまい、それだけでゴールに一歩前進したかのようにあなたは錯覚してしまう。

 米国の音楽家デレック・シヴァーズ氏は、米講演主催団体TEDで、「目標は人に言わない」をテーマとした演説を行った。シヴァーズ氏は、目標を人に言ってしまうと、逆に目標達成の可能性と、到達点を引き下げてしまうと述べ、これは1920年代から心理学上、すでに実験で実証されていると説明した。

 一般的に「目標を人に話すことは、応援され、達成までの励みになってよい」と考えられている。しかし、1926年、心理学者のカート・ルーウィンはこれを「代償行為」と呼び、1933年には心理学者ウェラ・マーラーが「他の人に認められると、心はそれが現実のように感じる」と指摘している。

 シヴァーズ氏は2009年に行われた最新の心理学実験例を取り上げた。被験者164人は全員、個人の目標を紙に書き、半数が目標を公言、のこり半数は口外しなかった。被験者は45分間、目標に達するための作業をするように言われ、かつ好きなときに止めて良いと告げられた。

 口外しなかった被験者は45分間使い切って作業し、後の質問で「まだまだゴールには遠い」と感じていたという。一方、目標を公言した人たちは、約30分過ぎたころに作業をやめてしまっていた。「ゴールにずいぶん近づいていた」と後の質問に答えたという。

 目標に達成するには、段階的な痛みや辛さをかみしめて、成長していくなかで実現する。ゴールまで人は満足を感じないはずだが、目標を人に話して認めてもらうと、心理学上で言う「社会的実感」に変わり、もう実現したかのように心は勘違いしてしまう。そのため、必要な努力を行う動機を失ってしまう。

 「もしどうしても目標を人に話さなければならないなら、満足を感じないような伝え方をすればいい」とシヴァーズ氏はアドバイスを送る。例えば「来月のマラソン大会で入賞するため、毎日5時間走りこむよ。さぼっていたら、活をいれてくれる?」など。

 さてあなたは次回、目標を決めたら、人に言う? 言わない?

(佐渡)


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