THE EPOCH TIMES

河南省で炭鉱事故 当局、情報規制 「チリが羨ましい」=ネットユーザー

2010年10月18日 16時53分
 【大紀元日本10月18日】世界中がまだチリ鉱山の奇跡的な救出劇がもたらした感動に浸かっている中、16日朝、中国では河南省にある炭鉱で爆発事故が発生し、26人が死亡、11人が坑内に閉じ込められた。チリの救出劇の一部始終を詳しく報道した中国中央テレビ(CCTV)は、当日の夜のニュース番組で、自国の死者26人の大事故については触れることはなかった。

 「国が違う、国情が違う」。チリの救出劇をテレビで見た趙衛星さんはメディアの取材にこう語った。趙さんは、昨年7月、貴州省の炭鉱で25日間も坑道に閉じ込められた末、奇跡の生還を果たした人物だ。

 「避難所の存在は聞いたことはあるが、見たことはない」と炭鉱キャリア5~6年の趙さんは話した。「国有の大きな炭鉱はあるかもしれないが、個人経営の小さな炭鉱にはめったにない」という。避難所のない坑道で25日間、趙さんが口にしたものは木の皮と地下浸透水だけ。救出された時には皮下脂肪がほぼゼロで、医者は彼の生還を奇跡と称えた。一方、チリでは、地下の避難所に備蓄されていた水や食料を分け合って摂取し、太らないため軽い運動もしていたという。

 チリで閉じ込められた33人は地下700メートルでテレビやDVD、撮影、音楽、ゲームなどに興じることもできたが、趙さんは暗闇の中で助けを待つことしかできなかった。「ランプは光るが、外から音が聞こえた時だけ、スイッチを入れた」。後にまさにこのランプに残ったかすかな光が奇跡的に地上救援隊に届き、趙さんの命が助かった。「ランプは普通は8時間しか持たないが、まだ電気が残っているなんて奇跡だ」と、救助隊の一人は話した。

 「チリの安全設備が羨ましい」。テレビを見ていた趙さんの一番の感想だ。

 地球の反対側の途上国、チリを羨ましく思ったのは、趙さん以外の中国人も同じだった。「人を人として扱う国が羨ましい」「中国の炭鉱労働者の命は軽視されている」「チリの鉱山作業員はラッキーだ」との書き込みがネット上で飛び交う。また今回の河南省の事故で、新華社通信が救出作業担当者の言葉として、「過去の経験からして、11人は炭塵に埋もれている可能性があるため、生存の確率は低い」と伝えたことに、ポータルサイト・新浪ネットには「チリと比べると、恥さらしのジョークだ」とのコメントが寄せられていた。さらに、「チリは世界中に向け救出を中継できるが、中国はまず現場を封鎖し、報道をも封鎖することだろう」と政府の情報統制への批判も目立った。

 実際、16日に起きた河南省の炭鉱事故は、当日午後に現場からの報道があったものの、夜にわたって主要テレビ局はすべて沈黙を保っていた。「当局が今回の事故と救助活動への報道規制の姿勢を示した」とAP通信は分析している。

 今回事故が起きた炭鉱は国営の中国電力投資集団公司などからなる企業連合が保有するもので、08年にも同様のガス漏れ事故で23人が死亡している。

 中国の公式統計によると、昨年1年間で約1600件の炭鉱事故が発生、死者数は2631人にのぼっている。一方、多くの炭鉱事故がもみ消されていることから、実際の死者数はもっと多い可能性があると独立労働団体が指摘している。「中国の鉱業は世界で最も危険」とAP通信は伝えている。

 
(翻訳編集・張YH)


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