THE EPOCH TIMES

米韓でさらなる演習 米軍トップ「日本も参加を」 三国連盟の強化で北京を孤立か

2010年12月09日 09時52分
 【大紀元日本12月9日】北朝鮮砲撃事件を受け、米韓両国の軍部トップは8日、ソウルで会談を行ない、今月1日に終了した米韓合同軍事演習は「北朝鮮の挑発を効果的に抑制した」として、今後さらなる合同演習を実施することに合意した。また、北朝鮮から再び武力挑発があった場合、米韓が強力に対応し、韓国軍が空爆などで北朝鮮を打撃する方針で一致した。米韓両軍のトップが会談するのは砲撃事件後初めて。

 会談後の記者会見で米軍のマレン統合参謀本部議長は、北朝鮮に対する韓国の防衛にあたって米国の協力方針を強調し、さらに韓国の隣国として日本にも今後米韓合同軍事演習への参加を望むと述べた。北朝鮮に対して「一致団結し、より確固たる努力を見せる必要がある」として、日米韓の強い軍事協力を強調した。米軍トップが日本に米韓軍事演習への参加を促すのは異例である。

 マレン議長は8日午後来日し、9日午前、北沢防衛相らと会談する予定。戦後最大規模の日米間共同軍事演習が行われている最中であり、演習の地区は韓国付近の海域も含まれている。これまで日米共同軍事演習への参加を避けてきた韓国も、オブザーバーとして参加している。

 「北朝鮮の挑発行為を中国が黙認した」

 マレン議長は一方で、北砲撃事件後の中国の対応を批判した。北朝鮮に対し「どの国よりも影響力」を持っていながら、中国は「それを使いたがらないように見える」と指摘。「ピョンヤンのずうずうしい行動を黙認した」中国の対応を見ると、「(北朝鮮が)次にどんな行動を取るのかを隣国は知りたい」と、中国を非難した。

 一般人の犠牲まで出した北砲撃事件に対して、中国は事件後北朝鮮への非難を避け、代わりに6カ国協議を北京で開催すると積極的にアピールしてきた。中国の提案に米日韓とも応じず、代わりにワシントンで3カ国の外相による会談を行う形となった。

 「中国の冷たい中立の立場に国際社会は不満を感じている。中国に不利な国際雰囲気を適切に日韓米とも利用する必要がある」と米VOAが指摘する。

 6日に開催された3カ国の外相会談で、日米韓は北朝鮮の挑発に対して中国の影響力を働かせる案で一致し、さらなる挑発的行為をとらないよう、事態の沈静化に向け中国の役割に期待感を表明した。

 北京を孤立させる日米韓連盟

 韓国と日本の外相をワシントンに招待することや、マレン議長を韓国と日本に訪問させることは、北朝鮮を対抗するために三国連盟を強める米国の思惑であると見られている。

 「この連盟はすでに中国を孤立させる効果を果たしている」と米VOA8日付けの記事が指摘している。

 中国の6カ国緊急協商会議の提案を無視して、代わりにワシントンの米国務省で開催された3カ国外相会談について、米クリントン国務長官は「マイルストーン」の作用を果たしていると述べる。その標的は北朝鮮に向けながらも、中国にもメッセージを送っている。

 金星煥韓国外交通商相が会談で、北砲撃事件やウラン濃縮問題を受け、3カ国の連携強化は避けられない存在となっていると発言した。韓国の提案に日米が同意し、再び挑発があった場合、国連安保1718号と1874号の決議の元で制裁することで一致した。

 3カ国会談の合意について、台湾政治大學の金栄勇教授は、中国に北朝鮮への影響力を働かせるように圧力をかけた行動だ、と米VOAの取材にコメントした。

 東アジアで冷戦前の対峙局勢か

 一方、3カ国外相会談に対して中国は不愉快で、中国外務省は先週、「この会談はいったい、何をしたいのか」と問い詰めた。

 3カ国外相会談に先立ち、中国胡錦濤国家主席がオバマ米大統領と電話会談した。中国国営新華社は、「胡錦濤主席はオバマ大統領に、適切に対処しなければ緊張がさらに高まり、制御できなくなると警告した」と報道している。

 砲撃事件直後、米国側が米中首脳による電話会談を提案していたが、中国側は消極的な姿勢のままだった。3カ国外相会談を行うことになってから中国はようやく応じた。

 ホワイトハウスの発表によると、電話会談で胡主席は6カ国協議首席代表の緊急会合をあらためて提案したが、オバマ大統領は、北が挑発行為をやめ、2005年の6カ国協議の共同声明で確約した核放棄などの国際義務を順守する必要があると強調した。また、北朝鮮の砲撃やウラン濃縮計画を非難し、中国に米国やほかの国と連携するよう、オバマ大統領が呼びかけたという。

 ワシントン・ポスト6日付けの報道は、匿名の米国官員の話として、今回の会談の背景には、米政府は韓国、日本との関係を再び調整し、東アジアで中共に対抗する連盟システムを構築しようとする狙いがあると伝えた。

 そうした背景から、中国が今回の電話会談に応じたのは、東アジアで米日韓同盟と中朝ロ同盟の間の対峙という冷戦前の局勢を避けるためであるとの見解もある。

 シンガポール中国語紙「聯合早報」は7日の報道で、中国国際問題専門家の話として、朝鮮問題において、中国がもっとも避けたいことは二つの対立勢力が形成されてしまうことだと指摘した。

(趙莫迦)


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