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旧正月を迎える北京。学者たちは来たるウサギ年の中国経済成長の減速を予測する(Getty Images)

2011年 中国の経済成長は減速=中国人学者予測

 【大紀元日本1月24日】中国国家統計局は20日、2010年の国内総生産(GDP)が実質で対前年比10.3%増と発表した。しかし、不動産市場のバブル懸念による引き締め対策や、強まる金融引き締め政策、公的資金による景気刺激の後退がみられる中、一部の中国人経済学者と企業人は、2011年の中国経済成長の減速を予測する。

 中国改革基金の国民経済研究所、樊剛・所長は10日、ニューヨークで開かれた中国経済シンポジウムで、インフレは2011年の中国経済が直面する最大の試練だと指摘した。インフレへの影響を引き起こす主な要因は、国内と海外の過剰流動性によるホットマネーの大量流入だと分析している。

 昨年9月、中国の外貨準備高は1ヶ月で千億ドルも増加した。このうちのかなりの部分は資本流入によるものだった。これまで央行(中国人民銀行)は一連の対抗措置をとってきたが、今後もさらなる対応を迫られると樊所長は予測する。

 同シンポジウムは、米国の米中関係全国委員会と北京大学中国経済研究センターとの共催により、ニューヨーク証券取引所で開かれた。樊所長はさらに、現行の為替相場システムのもとでの継続的なホットマネーの流入は、央行による流動性抑制への努力の効果を削減させ、インフレに対抗することをさらに困難にしているとみている。2011年、人民元の継続的な小幅上昇につれて、貿易黒字額のGDP比は昨年の5%から4%に下がると同氏は予測する。

 同シンポジウムへ出席した北京大学中国マクロ経済研究センター廬峰・主任は、消費財価格上昇に圧力をかけているほかには、政府の不動産市場の過熱抑制策の効果はさほど現れておらず、不動産の販売価格も物件数も歴史的な高水準を保っていることを指摘。2011年も不動産市場の過熱状況が継続すると見込んでいる。

 中国のような貿易依存度の高い国民経済は、国内の状況のみならず、海外の状況変化にも大きく左右される。海外市場からの影響につて、廬峰主任は次のように話している。「中国国内関係者は常に外部市場の動向に注目している。言い換えれば、米国、EU、その他の主要な貿易相手国の不景気の現状は、今年度の中国経済にさらに不確定要素をもたらすだろう」

 一方、経済界では、ミクロ的視点から2011年の中国経済を分析している。ドイツ銀行の大中華圏主席エコノミストの馬峻氏が10日に発表した研究報告では、2011年の中国経済の成長率は8.7%に止まり、さらにGDP成長率減速の主な理由となる輸出の増加率が2010年の31%から15%に下降、金融引き締め政策のもとでは、固定資産投資の増加率は2010年の23%から20%に下降すると分析している。

 また、馬峻氏はインフレ率の上昇が速すぎるため、実際の預金利息率がマイナスになっていると指摘し、新年度は預金利息率を引き上げ、同時に人民元の引き上げテンポを速め、輸入型インフレを抑制すべきだと提案した。

 堅調な経済成長のけん引力となる投資、そして輸出の状況をともに楽観視できない現状ではは、国内消費が2011年の中国経済をけん引する重要な要素となる。しかし、2010年下半期以来のインフレ状況、とりわけ食品を中心とする生活必需品の価格高騰は、2010年下半期以降、消費者信頼感指数の低下につながっている。

 中国国際金融有限公司の朱雲来・総裁は同シンポジウムで次のように話した。「今まで、サービス業への産業構造転換は、いくつかの分野で一定の進展があったが、いわゆるサービス産業のほとんど、例えば交通、電信などの分野は、依然として製造業部門の活動と関連している。中国にとって、真のサービス産業への産業構造転換が必要不可欠だ」

 博源基金理事長、前中国招商グループ(China Merchants Group)董事長秦暁氏は、今後中国の人口ボーナス効果がなくなると同時に、都市化の進行状況も緩む傾向にあるため、投資に対する需要が減少すると分析。特に都市化の進行状況が緩むと、道路建設、鉄道建設、不動産建設、建築原材料、自動車、電気通信設備といった大規模な固定資産投資やインフラ設備投資を緩めることとなる。この傾向は今後の投資需要を抑制する要因になりかねない。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/01/24 12:26)  





■キーワード
中国経済  不動産バブル  インフレ  人口ボーナス  都市化  人民元切り上げ  


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