THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記 (71) キャンプ(1998−2000年)

2011年01月24日 07時00分
 【大紀元日本1月24日】ある日、学校からのたよりで、行事日程のところにWestward Ho!と書かれていた。なんだろ、この「ホ!」って、と首を傾げた。英語を直訳すると、「西に向かって ホ!」コメディーのタイトルかと思ってしまう。娘のクラスメートのお母さんに尋ねたら、東洋系の私の顔をまじまじと見て、無理もないというふうに笑いながら、「キャンプ場なのよ」と教えてくれた。

 なんでも、19世紀のベストセラーを基に小説の舞台となった土地に、当時の起業家が同名の村を設立したらしい。英国では唯一のびっくりマークのつく村名だそうだ。

 チャールズ・キングスレーによる小説は、やんちゃ坊主がゴールドを求めてカリブ諸島にわたり、英国に戻るとスペイン無敵艦隊のイングランド侵攻にでくわす。400年以上前のアルマダの海戦を舞台にした歴史小説のようだ。この主人公の出身地が、デボン州北部のビドフォードの近くだったため、起業家が村を興したとのことだ。

 デボン州はコーンウォール州のとなりにあり、コーンウォールからは東に向かうことになるが、ロンドンから見たら、西の奥地という感じなのだろう。実際、何もないところのようで、海岸線の砂浜と断崖絶壁があるようだ。

 ロッククライミング、水上スキー、サーフィンなどを試したようで、都会の学校にいたら、こんな体験はなかなかさせてもらえなかっただろう。特に何が面白かったとか、何をやったとかの話は、娘の口からは聞けず、1年後にまた同じキャンプに行く寸前になって、「そういえば、去年ロッククライミングで宙ぶらりんになって、先生に助けてもらったんだよねー」と、突然「なに?」と思うような体験談を語ってくれた。

 子どもたちにとっては、5年生のキャンプは親離れの最初の体験。お迎えにいったら、バスから子どもたちが次々に飛び降り、親の胸に飛び込んで行く。娘はそんな情況を横目に、「トイレー」と校舎に駆け込んで行った。

 (続く)

 著者プロフィール:

 1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。

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