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世界銀行は5日、人民元建て債券を14日から香港で発行すると発表した(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)

世銀、初の元建て債券発行決定 人民元国際化のボトルネック

 【大紀元日本1月8日】世界銀行は5日、人民元建て債券を14日から香港で発行すると発表した。世界銀行による元建て債券の発行は初めてのことである。世界銀行グローバル資本市場の責任者ドリス・ヘレラポル氏は元建て債券債の発行について、世界銀行にとって画期的意義があり、元市場の成長を支援する姿勢の現れでもある、との見方を示している。中国国内紙・国際金融報が伝えた。

 昨年、アジア開発銀行(ADB)が香港で利率2.85%の元建て10年債12億元(約150億円)を発行しており、国際組織が香港で元建て債を発行するのは今回で2回目となる。

 オフショア元建て債券市場の拡充

 今回発行予定の世銀元建て債券の発行額は5億元(約62億円)である。発行条件は年限2年、利率0.95%、償還日2013年1月14日。幹事となる銀行はHSBCで、発行体格付けは「トリプルA」となっている。

 中国の国際収支上においては、経常取引に関しては、規制なしに取引が行われているが、資本・金融取引に関しては、WTO加盟につれ、少しずつ緩和してきているものの、依然として厳しい規制が行われている。

 一方、近年の人民元切り上げ圧力を緩和させるため、資本・金融取引の規制をさらに緩和し、米ドルで行われてきた貿易決済に元の利用を奨励する諸策を講じるなか、昨年は香港で人民元の取引が始まった。

 昨年12月、ロシアの銀行大手VTBが、アジアを除く新興国企業で初の元建て債券の発行体となった。また、多国籍企業のマクドナルドやキャタピラーは、元建て債券を発行した最初の外国の非金融企業である。

 現在、さらに多くの企業が元建て債の発行を計画している。3日付の香港紙・明報が東亜銀行の幹部の話として伝えたところによると、同行の中国子会社が今年第1四半期に中国本土で元建て債を発行し、20億元を調達する計画を進めている。同行は香港でも元建て債券の発行を計画しているという。

 人民元の国際化を握る為替相場の柔軟性と国内資本・金融市場の整備

 人民元の国際化、すなわち非居住者にとって人民元使用の便益性向上を図るために不可欠な条件として、人民元相場の柔軟性が求められる。しかし、輸出による経済成長や輸出企業を保護するため当局による人民元相場を低く保つための元売り・ドル買いを維持・継続しようと考えているとすれば、為替・資本規制の緩和は難しくなる。緩和に踏み切ると、人民元相場のコントロールが難しくなるからである。

 また、為替・資本規制の緩和を進められるような十分な国内資本・金融市場の整備が必要不可欠である。海外で経済・金融面でショックが起きても、その影響を十分に吸収できる整備された国内資本・金融市場が必要。依然として未整備の国内資本・金融市場の現状は、真の人民元の国際化にはまだ長い険しい道が待ち受けていることを物語っている。

(編集翻訳・林語凡)


 (11/01/08 07:52)  





■キーワード
元建て債券  オフショア市場  人民元  経常取引  資本・金融取引  


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