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きれいで端正なイメージだけ守ってきた人だと思っていたが、頑強な男のイメージを見せてくれた。少し見慣れない格好だが、自然な姿でかえって人間的なチ・ジニを垣間見せてくれた(写真=イ・ユジョン)

俳優チ・ジニ 「40歳、これからスタート」

 【大紀元日本2月5日】韓国では、MBCドラマ『東夷』が終映したばかり。『チャングムの誓い』で知られた俳優チ・ジニが、また歴史ドラマで素晴らしい演技を見せてくれた。 『チャングム』のミン・ジョンホ役がまた『東夷』で甦ったのだ。

 ここ一年にわたり、俳優チ・ジニはTVドラマ『東夷』をはじめ『家を出た男たち』、『平行理論』の映画にも出演している。ワールドビジョン広報大使、韓国観光名誉広報大使などの重要な肩書きも5つを超える。

 清潭洞(チョンダムドン)のカフェで会ったチ・ジニは多少疲れているように見えた。アフリカ出国に先立ってデング熱(Dengue fever)の予防注射を受け、後遺症がでたとか。しかし、一旦インタビューが始まると一変した。機転を利かせながら、止むことなく語る。飼い慣らすことのできない野生馬のように人生を愛し、 自由・進取の精神に富み、自信に溢れていた。

 見たものだけを信じる世界からの脱皮

 『チャングムの誓い』のミン・ジョンホ役の印象が強く、「チ・ジニ」=「ミン・ジョンホ」という公式を払拭するのに苦労する。『チャングム』の俳優としてみられることに対して「それはあくまで視聴者の見方」と言い切った。

 「私が何をしても、視聴者は自分たちが見たい部分、聞きたいところだけを受け入れます。個人的には、違う方向へと試行錯誤して努力しています。『チャングム』のミン・ジョンホの要素は、私の20~30%に過ぎません。チ・ジニの70~80%は『結婚できない男』のチョ・ジェヒ、『家を出た男達』のチ・ソンヒは自分の80~90%かな」

 チ・ジニ本人に会って、 穏やかで静かな人間というこれまでの印象が覆された。ユーモアでコミカルなだけでなく、「真剣なことは全く苦手」と闊達さを見せる。さらに疲れを知らない「肯定の力」もある。

 目には見えない感触への確信があった。俳優業の最初の2年は空白期だったが、「俳優として生きていくことができるという感触があったため、続けることができた」という。

 「この感触を育むために、話を避けるようにしました。話さなければ他の感覚が発達するでしょう。言葉を通さない情報は数多く存在しますが、人々は信じません。目に見えることや聞こえることだけ信じようとします。これほど馬鹿げた話はありません。感触を育むことで、自分の感じ方を深く信頼できるようになります」

 グラフィック デザイナー、アシスタント、そして俳優

 俳優を始めた当時、チ・ジニはフォトグラファーのアシスタントであった。写真を撮るための小道具を製作し、「セッティングの鬼才」ぶりをみせた。サイダーから湧き上がる気泡を撮影するために、ガラス板7枚とグリセリンを利用して泡が上がってくる様子を演出した。また、レオナルド・ダヴィンチの「翼」を再現するために、紙に木製の桟を精巧に取り付けるという高度な作業もこなした。20個以上の照明を使い、一週間かけてホコリ一つ許されない製品の写真を撮影した天性のマイナー気質のためであろうか、他の人々ができないことにさらに興味を感じて最善を尽くす。悪名高いことで噂になった有名なフォトグラファーとともに仕事が出来る、唯一の人でもあった。

 隣のパン屋のおじさんも「君は大物になると思っていた」と語るほど、チ・ジニは自分がしていることに徹底的に没頭した。アシスタントとして活動していた当時、50万ウォンにも達しない薄給を分けて使い、バス賃を惜しんで自転車に乗りながら、夢に見た500万ウォンのライカカメラも手に入れた。

 「当時は苦労しましたが、このような経験が私の底力と武器になりました。私の資産となり、人生にとって大きなプラスとなりました。これまでの自分の生き様、これからの生き方、前向きな姿を表現することが演技の真髄。だから多様な経験は大いに役立ちました」

 独特の履歴を持つ。俳優志望が無数にいる中、俳優ではなくフォトグラファーを夢見ていたアシスタントが、一躍スターの座に上った。彼が俳優を始めたきっかけは意外だ。1997年にIMFが炸裂し、勤め先ではリストラの風が吹いていた。先輩の代わりに席をけって出てきた彼に、サイダスHQの元部長パク・ソンヘが俳優になってみないかと提案してきた。

 「当時、写真にものすごい魅力を感じていました。フォトグラファーで生きていこうと思っていたので『一年以内に俳優の方に魅力を感じるようになるだろうか』と尋ねたら、 『絶対に魅力を感じるようになる』と言われました」

 それから、俳優に対する魅力を感じるようになった。「俳優」という職業にしがみついたというより、自身が喜びを感じることができる仕事をするためにしがみついた。俳優チ・ジニのスタートだった。

 自給自足しながら生きることが夢

 「暇かって?実は時間がなくて」彼はインタビューの途中で7回もこう繰り返した。絶えず考え、新しい構想が浮かんでいるので無駄な仕事をする時間がないという。 インタビューの時間を待ちながら、陶磁器のアイデアをスケッチブックに描き、新しく買ったギャラクシーテープを入れる革ケースをデザインした。

 「60才を越えたら工芸に打ち込むことが夢」というほど、彼の工芸への情熱は強い。話を始めてすぐ、A5サイズのスケッチブックを取り出し、思いつくままに製図用シャープで描いた40以上の陶磁器の図案を見せてくれた。定形化されることなく、自由奔放なデザインだった。まだろくろを回す方法も習っていないが、友人の作業室に立ち寄って、ろくろなしで土をこしらえて焼いた作品も多数あるとのこと。構想したデザインは土でこしらえる時間がないため紙で立体模型を作り、時間がある時に作業室に座って土をこしらえる。来月にはアマチュア陶芸家達の展示会である『ポグミ展』を計画しており、再来年には個人展開催も目指している。俳優か陶芸家か分からなくなってしまう。

 幼い時の夢は「自給自足」だったという。何でも必要なことは自分の手で作る。高等学校では金属工芸を習い、カバンやカメラケースを作るために革を裁って、いちいち針で手作業をした。岩壁登攀に使うチョークを入れるケースも自分で作った。裁縫への関心も強く、「ミシンを習いたい」とも。だが、できないことが一つある。「天才は悪筆」と言われるように、 文字を美しく書くことが最も苦手。「考える速度に書く速度が追いつかないため悪筆になってしまう」ということだ。納得できる。実際、彼の話す速度は通常の人の1.5倍ほど速かったと思う。

 
(記者・ チョ・ユンドク/翻訳・高峰)


 (11/02/05 07:00)  





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