THE EPOCH TIMES

<大地震!そのとき私は> 家の前に掛かった「トイレ」の標識

2011年03月14日 08時10分
 【大紀元日本3月14日】11日(金)都内の新宿の勤め先では、一瞬のうちにパソコンがぱたぱたと倒れ、机の引き出しが横揺れで開いたり閉まったりした。同時に棚から書類や物が飛び出した。入り口の大理石の受付デスクもいとも簡単に倒れてしまった。地震の大きさを目の当たりにした。

 二度めの揺れで、全員オフィスビルを出た。すでにたくさんの人がおり、電線が手に届くほどの高さまで垂れていた。7階建てのビルの上にある避雷針が、かなり揺れた。広々とした交差点が、見る見るうちに人で埋まった。携帯はつながらない。余震のたびに、顔がひきつっていた。

 電車の運行はないとのことで、徒歩で帰宅することにした。午後5時に会社を出て、夜の8時過ぎに明大前駅手前のところにたどり着いた。人波に流されるように歩いているうちに、疲れを感じた。風は冷たいし、コンビニもなし。開いている店も品切れ。あと2時間の路地を思うと気が沈んだ。このとき、道沿いに掛けられた一枚の標識が目に入った。

 「トイレ」と書かれていた。店も公衆トイレもなく、ひたすら徒歩で帰宅する人たちのために、自宅のトイレを無償で提供する思いやり。その瞬間、心が温まり、思わず笑みを浮かべた自分に気がついた。見知らぬ人への思いやりに、感謝の気持ちで一杯になった。この親切な気持ちが私を元気づけ、また元気に帰路に着くことができた。

(文・一婷)


※皆様の体験を写真・文でお寄せください。詳しくはこちらまで。(編集部より)


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