[オタワ 7日 ロイター] – カナダ統計局が7日発表した5月の雇用統計は雇用者数が2万7700人増と、市場予想の8000人増を上回った。失業率は比較可能な1976年以降で最も低い5.4%となった。市場予想は5.7%だった。
自営業が6万1500人増え、全体を押し上げた。
統計を受けカナダドルは7週間ぶりの高値を付けた。
4月は雇用者数が10万6500人増と、過去最高の伸びだった。
BMOキャピタルの上級エコノミスト、サル・グアティエーリ氏は「今回の雇用統計も素晴らしい内容だ。カナダ経済が春に加速していると自信を持って言える」とした。
雇用統計の内訳は、サービス部門が2万2800人増。ヘルスケアや専門サービスが押し上げ要因だった。生産部門は4900人増と、より控えめな伸びとなった。製造業が伸びをけん引した。
カナダ銀行(中央銀行)は5月31日の政策決定会合で予想通り金利を据え置いた。最近の景気弱含みが一時的である兆候に言及した。主要な統計を注視しつつ、様子見姿勢を保つことを示唆した。
公共と民間部門を合わせた失業者数は3万3800人だった。
TDセキュリティーズの首席ストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は5月の雇用統計について、4月からの減速予想を覆す内容だと指摘。「一つ奇妙なのは、雇用増加が全て自営業の伸びによるものだったことだ。公共と民間部門がともに減少したことを踏まえると、楽観的になり過ぎるのは良くない」と語った。
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