THE EPOCH TIMES

「ロンドン五輪へ5億元をプレゼント」 中国電信大手の「好意」、英政府が断る

2011年03月03日 07時30分
 【大紀元日本3月3日】世界市場への進出に積極的な中国電信設備大手「華為科技」は、「ロンドン五輪へのプレゼント」として、ロンドン地下鉄の携帯電話通信設備のために、5億人民元に相当する資本提供をオファーしている。しかし、中国国内メディアの関連報道によると、英国政府はセキュリティ上の理由で同社のオファーを断ったもよう。

 ロンドンの地下鉄網での携帯電話通信設備の建設は長年、議論されてきた。膨大な建設費、携帯電話の遠距離操作で爆弾テロに遭う可能性が主なネックとなっている。2012年ロンドン五輪に向けロンドン市長が同市の携帯電話や無線通信の改善プロジェクトに力を入れている。

 中国国内の報道によると、英国市場の開拓を狙って、「華為科技」社は約5000万ボンド割り引いてインフラ設備を提供する、と同プロジェクトに入札条件を提示した。同社はただ設備の維持費のみを計上していると説明した。

 フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、同社が提示した条件が最も優れていたため、落札できる唯一の企業であると、同社とロンドン交通局の交渉に参加した関係者は洩らしている。

 英メディアは2月20日、当時の状況から判断すると、華為科技が落札する可能性が高いと報じていた。

 しかし2月24日、中国国内メディアは、英国政府はセキュリティ上の理由で華為科技の「豪華なプレゼント」を断ったと報じた。国営の人民日報海外バージョンは、英国の情報機関の幹部と議員から「このプレゼントは必要なときにロンドンの通信システムを完全に破壊できる」という認識が出されていると報道した。

 英国内の報道によると、英国議会の反テロ委員会の前委員長、パトリック・メシャレ議員は、同社からのプレゼントは「両刃の剣である」と警告を鳴らした。

 華為科技は2年前、 ブリティッシュ・テレコム(BT)から通信ネットワークの建設プロジェクトを落札した。英国情報機関は当初から、この点に疑念を示していた。華為科技の創始者・任正非氏は中国軍部の元幹部である。一部には、中国当局から巨額な創業資金を受けていたとの説もあり、同社は急成長を遂げて中国の電信機器最大手となっている。

 英国では、2009年3月、BT社が華為技術に依頼しようとしている建設プロジェクトが、電力、食品、生活用水などの重要インフラに関連しており悪用される可能性があるとして、英国情報機関の関係者が英政府に懸念を示した経緯がある。特に同情報機関は、自国へのハッカー攻撃、特にロシアと中国からの攻撃が拡大しつつあると警告した。当時の英国貿易産業省の長官はこれらの警告を振り切り、現在のBT社の幹部となっている。当時の入札に参加した英国企業は、華為科技のような破格な入札額が提示できないため落札できなかった。

 ロンドン交通局が現時点で華為科技の入札を却下したかどうか、明確に公表していない。

 一方、華為科技は、「守秘事項であるため、現時点において同プロジェクトへの評論ができない。ただ、入札には必ず参加する。英国は弊社にとって重要な市場だ」と声明文で発表している。

 華為科技は、英国市場進出にあたって野望を挫かれたほか、米国への市場参入に当たっても度々、米議会の外交投資委員会の調査・阻止を受けている。同社による、2008年の米電子部品メーカー「3Com Corp」の買収、2010年の米国移動電信会社「Sprint Nextel Corp」の関連プロジェクトへの入札、2011年の「3リーフ・システムズ」社の技術資産の取得も全て、同外交委員会で阻止された。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は評論で、「華為は中国当局とのつながりを完全否定しているが、独裁政権下で急激な成功を遂げた企業は通常、厳しく監視、コントロールされるはず。特に、電信と科学技術は中国当局が最も気にしている分野であり、一流の愛国企業を育てる上でまさに当局の望む分野でもある」と指摘している。

(翻訳編集・叶子)


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