流行語で読み取る激変の中国(37)

【大紀元日本5月26日】 1982年に人気を博した映画の中に、「人到中年」(人、中年に至るや)がある。家庭と仕事の重荷を背負う中年層の辛さと愛情を克明に描いたものとして高く評価され、とりわけ中年層からの絶大な人気を得た。中年にさしかかった人間は大きな責任を背負い、その人生は辛くなると誰もが共感したのである。

映画「人到中年」は、改革開放政策を実施したばかりの時期のインテリ(医者)を描いたものだが、28年経った今、中国社会は大きく変化した。現代の中年層の辛さとは、一体どんなものだろうか。

今回の順口流は、中年層の辛さを詠む。この順口流には思わず吹き出してしまうが、一種の淡い感傷も心の底から湧いてくる。中国の中間層の人たちは責任や負担が重く、その身体もボロボロだ。なんとも切ないものである。

順口流「中年層の悩み」の中で、「発言」(発言する)と「発炎」(炎症を起す)、また「糊」(焦げる)「胡」(マージャンであがること)は同音。これらの同音語が、洒脱で軽妙な中年らしいユーモアを生み出している。

《中年煩悩》      「中年層の悩み」

職務不高,       職務の等級は高くないし、

工資不高,       給料も高くないが、

血圧血脂血糖高。  血圧・血中脂肪・血糖は高い。

政治不突出,     政治的には突出しないし

業務不突出,     業務的にも突出しないが、

腰椎盤突出。     腰椎椎間板は突出している。

大会不発言,     大会でも発言せず、

小会不発言,     小会でも発言しないが、

前列腺発炎。     前立腺は炎症を発している。

炒菜糊,        料理をすれば焦げるし、

焼飯糊,        ご飯を炊いても焦げるが、

麻将不胡。       マージャンでは全然あがらないのだ。