THE EPOCH TIMES

【生活に活きる植物】 34・武蔵鐙(ムサシアブミ)

2011年05月13日 07時00分
 【大紀元日本5月13日】ムサシアブミは湿潤な熱帯や温帯にみられ、西日本の山野の木陰に自生するサトイモ科の多年草。このうち、テンナンショウ属に分類される仲間は日本だけでも25種類以上ありますが、ムサシアブミ、テンナンショウ、マムシグサ、ユキモチソウ、ウラシマソウなどの根茎を乾燥したものは、天南星(てんなんしょう)と呼ばれる生薬です。有毒な成分が含まれているものの、アイヌや伊豆半島、ヒマラヤ東部では食用としています。ムサシアブミなど一部を除き、多くは雌雄異株ですが、性転換することもあります。3~5月、葉柄の頂に仏炎苞(ぶつえんほう)が緑色か紫褐色の花をつけ、中には肉穂花序(にくすいかじょ)があります。この中に誘引されたハエなどの小昆虫を閉じ込めて受粉してもらい、秋には赤く熟した果実をつけます。

【学名】Arisaema ringens
【成分】シュウ酸カルシウム、サポニン類似成分、デンプンなど

【薬用効果】テンナンショウは肺、肝、脾経に作用し、去痰、消炎の効果があります。痰を伴う咳、めまい、しびれなどにも利用されます。一日量は乾燥物3~9gを煎服します。中毒症状には胃腸障害があります。また生の根茎をすりつぶした汁、あるいは乾かして粉末にして患部に塗布すると、解毒消腫の効果があり、化膿症や毒蛇の咬傷にききめがあります。

【食用】テンナンショウは胃腸障害を起こしやすいのですが、デンプン質も多く、蒸し煮や蒸し焼きにして刺激を弱め、団子にして食べるそうです。

【余談】肉穂花序とは、軸の表面に花柄(かへい)がなく、花がびっしりとついたもので、すぐ下に仏炎苞という縞模様の葉が広がっています。テンナンショウの仲間は識別が難しいのですが、ムサシアブミは3枚の艶のある葉と先端が巻き込む仏炎苞が特徴です。ウラシマソウは仏炎苞の先が長く糸状に伸びていて、スルガテンナンショウはマムシグサのグループで、鳥足状複葉と茎にマムシのようなまだら模様があります。

スルガテンナンショウ

ウラシマソウ

(文/写真・ハナビシソウ)

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