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ナスダック上場の中国企業、相次ぐ株価暴落 財務粉飾問題があらわに

 【大紀元日本5月20日】 米ナスダック市場で相次ぎ上場する中国企業。しかし、その株価の激しい値動きを専門家らは問題視し始めている。

 不正承知で粉飾決算か

 最近の典型的な例が、最有力成長株とされていながら、4月に取引中止となった「中国高速頻道」である。同社株は、ナスダック上場以来、2年間で約2倍に上昇したが、今年1月末に4日間で47%下落。同社の株価の動きは、外国株式市場における中国成長株の象徴であると見なされてきたため、中国企業の間で横行している財務状況粉飾が行われたことが主な要因だと指摘されている。同社は現在、大株主から詐欺行為の罪で提訴されている。

 米国の金融情報サイトは、「過去5年間におけるこの種の中国企業の株価の暴落は、ナスダックの投資家に巨額の損失をもたらしている」という調査結果を公表した。

 「中国高速頻道」は、2004年3月に中国で設立された。主な業務内容は、中国9つの都市間で運行する長距離バスの車載モニターで放映される映像番組や広告の配信。中国当局からは、「中国一級広告資質企業」「全国広告文明先進企業」「国家科学技術成果の一等進歩賞」「国家特許技術二等発明賞」など、数々の賞を授与されている。

 米経済誌「フォーブス」中国語版が今年1月10日に発表した「最も潜在力のある中国企業ランキング」では、同社はトップを飾っている。

 このような「優秀な」中国企業が、なぜ「財務状況を粉飾して詐欺行為を働いた」として株主から提訴されるに至ったのか、その根源を以下に探る。

 成長は「幻影」 騙されて起訴へ

 ロサンゼルス在住の投資家アンドル・レフト氏は冷静だった。同社の急激な成長を「幻影である」「その完璧さは現実ではありえない」などと形容した直後、同氏の言葉が的中したかのように、同社の株価は一日で14.4%下落した。

 マディ・ウォーターズ・リサーチ(Muddy Waters Research)社のカーソン・ブロック(Carson Block)氏も、同じ時期に、同社の株は「資金集めの罠である」と警告していた。

 またその後、米国の経済専門ウェブサイトであるフィナンシャル・インヴェスティゲイター(Financial Investigator)の編集長ロディー・ボイド(Roddy Boyd)氏は、同社の米国支社を訪れた際に撮影した映像を公開し、同社は名実が伴っていないと批判していた。

 今年1月末の4日間で、同社の株価は47%下落。その後、3月11日には株の取引が一時停止となり、4月12日には正式に取引停止処分となった。現時点で未だに取引は再開されていない。

 財務データを改ざんし詐欺を働いたとして、同社第三位の株所有者であるモーリス・グリーンバーグ社の子会社スター・インターナショナル(Starr International)は、3月21日、米国で同社を提訴した。

 また、最近、米ナスダックでの上場が廃止となった新華財経有限公司の米国支社の元経営陣3人が、 財務状況を粉飾した詐欺の罪で米大陪審に起訴されている。

 ロイター通信は、「このような実例は増え続けている。米国の投資家は中国の成長株に飛びついているが、結局、金で釣られて罠にはめられたと後で気づく」と報じた。

 中国企業株価暴落 損失額340億ドル

 米国の金融情報サイト「ザ・ストリート」の調査によると、過去5年間で、ナスダックにおけるこの種の中国企業の株価の暴落は、投資家に340億ドルを超す損失をもたらしているという。

 その要因の一つとして、財務状況が不健全である多くの中国企業が「逆さ合併」の手法でナスダックに上場を図っていることが挙げられる。「逆さ合併」とは、株式非公開企業が株式を公開しているダミー会社を買収し、米国での上場を実現するもので、新規株式公開(IP0)時の厳しい審査を回避することが狙いだ。

 米国上場企業会計監督委員会(Public Company Accounting Oversight Board PCAOB)が公表した数字によると、「逆さ合併」の方法でナスダックに上場した外国企業は、2007年以降では600社以上に上り、うち約150社が中国を拠点とする企業だという。

 「増え続けるこれらの企業の多くは、会計上に重大な不備があることが明らかになってきた」と、米証券取引委員会(SEC)のルイス・アギラー委員は最近言及した。 資金集めのため、最初から詐欺目的の企業も少なくない、と専門家は指摘している。

 もう一つの主な要因は、中国当局の政策にある。

 これらの中国企業は米ナスダックに上場するが、実体は中国にあり、米当局の管轄外となっている。ロイター通信は、中国側の政策のため、監督責任の所在が不明確であることが、不正を働く中国企業にとって格好の抜け穴になっていると指摘する。

 また、中国の会計会社は、米国上場会社会計監督委員会に登録した会計監査機関であるにも関わらず、中国当局は米側による中国会計会社への格付けを禁止している。そのため、中国企業が国内の会計監察企業と結託して財務状況を粉飾しても、米当局の管轄下にない。この抜け穴につけ込んで、外国市場での株式上場を狙う中国企業に悪用されていると専門家は指摘する。

 「不透明な財務状況は、中国企業全般に該当する一種の症候群」という見方が、米国の証券業界に広まりつつある。

(翻訳編集・叶子)


 (11/05/20 08:36)  





■キーワード
:中国高速頻道  ナスダック  詐欺  投資家  財務粉飾  逆さ合併  


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