THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(15)中共軍、米軍を敵としつつも臥薪嘗胆

2011年05月24日 09時03分
 【大紀元日本5月24日】中共解放軍の陳炳徳総参謀長が率いるハイレベルの軍事代表団が、今月15日から22日まで米国を訪問した。18日には、米国国防大学を訪問、マレン米統合参謀本部議長と会談し、その後記者会見を行った。

 いずれの場でも、陳総参謀長は従来の強硬姿勢を一変し、まれにない謙虚な発言をしている。その真意はさまざまに読まれている。

 ■米軍を仮想敵と設定

 中共軍のハイレベルの軍事代表団が訪米する前日の13日、同隊の機関紙「解放軍報」は、軍事訓練をサポートするテレビゲーム『光栄な使命』を作成し、今後、軍事教育や訓練に活用すると報道した。

 解放軍報の報道では、『光栄な使命』の中の「敵軍」については触れておらず、このゲームは1人の兵士が『光栄な使命』という実戦演習に参加し、戦争を経験するものであり、情報化時代において、戦場での臨場対応能力と心理的適応能力を高めさせるものとしている。そして、このソフトは、32人が同時に共同参戦することができ、赤と青の双方がオンラインで対抗することもできるなどとしている。

 しかし、公開された映像だけからすれば、その敵が米軍であるのは一目瞭然である。

 関係報道によると、『光栄な使命』は南京軍区と巨人ネット科学会社が2年かけて研究開発したものである。軍事訓練用のテレビゲームは、国際的にすでに一般化され、軍事教育や訓練に広く応用されているが、中共の軍隊において、独自開発したものを利用するのは、ごく最近のことだという。

 これまでは、外国のゲームの中国語版を使っていたが、軍事理念などが異なるため、長期的に用いると訓練を受ける兵士たちを予想できない方向へ導く恐れがあることが懸念され、独自のものを開発した次第である。

 仮想敵の設定について、米国の軍事関係者は強い懸念を示している。NBC駐北京記者フラナガン氏は、中国問題観察のネット「長城内外」で次のようにコメントしている。『光栄な使命』は米国兵士およびその装備を敵としているため、先入観を植え込まれやすい若い兵士たちに、米国こそ敵だと思い込ませてしまうもので、米中両国の軍事や文化の交流に不利である。

 解放軍報は、このソフトは独自開発したものであり、中国軍事テレビゲームの空白を補ったものとして絶賛し、今後さらに更新した後、試用するために部隊に配給するという。

 ■意外な弱腰発言の狙いとは何か

 陳炳徳総参謀長は、記者会見などで次のように直言し、注目されている。

 「率直に言えば、わたしはとても辛い思いをしている。なぜならば、われわれの軍隊の軍備はだいぶ立ち遅れているからだ」「米国に比べ、中国の海軍の実力は少なくとも20年ほど遅れている」「中国は永遠に米国に挑戦しない」「私から皆さんに言えるのは、中国は米国に挑戦する能力がない」

 陳総参謀長はまた、昨年米国防長官が中国訪問した際に、最新型の飛行機を試行したが、それも従来の計画通りに実施したもので、意図的なものでもないと弁じている。

 20年来、中共軍の軍事費はずっと2桁の割合で増加し、国際社会ではますます覇権主義の姿勢を示し、アジアや太平洋地域で多元的に軍事的影響力を拡大している。とりわけ、中共軍の実力を示し米国の覇権主義の拡張と日本の軍国主義の復活を阻止するために、米国や日本と一戦を交えても惜しまないというような強硬発言が、軍内からもしばしば上がっている。

 中共軍の近年の強硬姿勢を、国際社会は強く懸念している。そのため、米国は軍事戦略の中軸を欧州からアジア・太平洋地域へ移し、日本・韓国との同盟関係をよりいっそう強め、中共軍の急速な台頭と、想定外の紛争と行動をけん制している。

 中共が豹変した原因はさまざまあるが、米国の世界戦略の変化、自由社会から牽制・批判のターゲットとされているという国際情勢のほか、国内でも国民一揆が随時に起きるかもしれないという臨界点にあるなど、もろもろの問題を抱えている。

 そのため、中共がもし従来の強硬な姿勢で臨むなら、諸矛盾を激化させ、その結果、中共の解体を加速することになるので、戦略的な後退というカードを切ったものと考えられている。

関連キーワード
^