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上昇し続けるCPI指数 ますます難しくなる軟着陸

 【大紀元日本6月16日】5月の消費者物価指数(CPI)は34カ月ぶりの高上昇率を見せ、対前年同月比5.5%上昇した。14日付の中国国家統計局の公式サイトで明らかになった。経済全体の加熱状況が少し減速したものの、上昇し続ける消費者物価指数は、インフレへの懸念を高いものにしたままで、軟着陸はますます難しくなっている。

 統計局の公式サイトによると、5.5%のCPI上昇のうち、都市部は5.3%上昇、農村部はそれを越え、6.0%となっているのが特徴である。品目別で見れば、食品価格の上昇幅が11.7%と大きく、CPI上昇率の3.5ポイントを寄与しており、その寄与率が63.6%に達している。非食品価格の上昇のCPI上昇率への寄与率は34.6%となっている。食品価格のうち、とくに上昇が激しいのは豚肉と生卵。5月の豚肉価格は対前年同月比40.4%も上昇している。

 統計局の主要経済指標の公表日と同日、中国人民銀行(中央銀行)は預金準備率を20日から0.5%引き上げると発表した。これにより、大手銀行の準備率は過去最高水準の21.50%に達した。今年に入り、すでに6回目の引き上げとなる。今回の預金準備率の上昇により、凍結できる流動資金は3800億元という試算が出ている。

 これに対し、米国在住の経済学者で、かつて中央銀行で研究員を務めた簡天倫氏は次のように述べている。「最近の中国政府の通貨政策から見れば、今回のインフレの起因は過剰に市場へ流された通貨の流通量である。そのため、預金準備率の引き上げは本来ならば、最も有効な手段であるが、予期されたほどの効果が現れていないのが事実のようだ。さらに、通貨の過剰流動をもたらした原因は人民元の過小評価を維持しようとする相矛盾する政策である。十分な元高を認めないなら、更なるインフレも避けられない」

 簡天倫氏と同様な意見を持っている米サウスカロライナ大学の謝田教授は、半年前にすでに、中国のCPI上昇率は5%を超えていると主張する経済学者がいたと指摘。中にはすでに10%を超えていると見積もる人もいた。中国当局が公表する数値がどんどん上がってきているのは、ただその事実を操作しながら知らせているだけだと謝教授は分析する。さらに、「昨年以来の預金準備率の引き上げから、凍結した流動資金はせいぜい数兆円程度で、中央銀行が増発した通貨流動量の数十兆円に比べたら、インフレへの抑制作用はかなり限定的であるといわざるを得ない」という。

 通貨・株式・債券投機家としてよく知られるジョージ・ソロス(George Soros)氏は、中国はインフレを抑制するタイミングをすでに失っており、ハードランディングの危険性が極めて大きくなっていると警告した。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/06/16 08:38)  





■キーワード
インフレ  CPI  軟着陸  ハードランディング  預金準備率  元高  


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