THE EPOCH TIMES

毛沢東批判で大論争 米紙「中国を彷徨う赤い幽霊」

2011年06月25日 07時50分

 毛沢東支持者サイト「烏有之郷」について、茅氏は「これらの人は社会の不公平に不満を持っている。その解決策を毛沢東の思想に求めている」と分析し、この考えは完全に間違っていると指摘した。

 毛沢東思想を社会不安を解決する「駆け込み寺」とするのは中国政府も同じだ。今月初めのウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された「中国を彷徨う赤い幽霊(Red Ghost Over China)」の中で、中国で拡大する各種の抗議活動に対して、中国政府は「鎮圧」と「宣伝」という左派の「おはこ」を使っており、これは毛沢東思想がいま中国で台頭する理由でもあると分析する。

 「宣伝」においては、重慶市の薄煕来書記がその旗振り役を担っていると同記事は指摘。「彼は毛主義の崇拝者に扮して、幹部や学生を農村部と工場へ送り込み肉体労働をさせる運動を行ったり、革命ソングを広め、毛沢東語録を携帯電話に発信したりしている」

 この「重慶モデル」はいまや中国政治の主流となりつつある。中国共産党の最高意思決定機関となる中共中央政治局常務委員9人のうち、すでに5人が重慶を視察している。来年の党大会で政治局常務委員入りを目指す薄煕来を認めたことを意味するだけでなく、「重慶の改革は、中国の直面する課題解決への突破口である」と、党人事を決める重要人物・李源潮が手放しで称賛する。

 「重慶モデル」のような極左的やり方は「中共が民衆の声を聞く能力をさらに低下させた」とウォール・ストリート・ジャーナルは指摘し、中国人の考え方はかつてと違い、独立しており、冷めた目でこの風潮を見る人も多いという。「2002年に胡錦濤主席と温家宝首相が就任した際には、労働者の福祉を強調していた。しかし現在、地方幹部の民衆への権利侵害は当時よりも悪化している。かつては中国人は共産党と政府を信頼していたが、しかし現在、彼らは希望を失っている」と、毛沢東思想で解決を求める政府のやり方に疑問を呈した。

「是と非は13億人に判断してもらう」

 この時期の茅于軾氏の毛沢東批判は、毛崇拝者らの逆鱗に触れた格好となった。公訴の構えを見せる彼らに対して、趙紫陽前総書記の秘書を務めた鮑彤氏が「荒唐無稽」だと一蹴した。「毛沢東は数千万人を餓死させた。この数千万人こそ毛沢東を提訴すべきだ。数十万の人が右派とされ迫害を受けた。この数十万人こそ提訴すべきではないか」と新紀元の取材に語った。「公訴の相手となるのは茅氏のみならず、右派とされ20年あまりにわたって政治迫害を受けた50万あまりの亡霊と、幸運にも生き残った老人たち、中国の民主派と改革派に及ぶ」という。


 毛沢東の是と非を判断するのは13億人に託すべきだと鮑彤氏は言う。「すべてのことについてみんなが意見を言えるなら、中国には希望がある。1人しか発言する権利がないなら、たとえその人が毛沢東であっても鄧小平であっても、きっとデタラメになる。一人ひとりが言葉を発し、間違ったことについて他人からの指摘を受け、それでもって初めて何が正しいのか、何が正しくないのかの分別がつく」。

 鮑氏はさらに、全人代委員長の呉邦国が3月に宣言した「6つのノー(多党制、思想の多元化、三権分立、両院制、連邦制、私有化の6項目にノー)」の1つである「思想の多元化をしない」を批判した。「思想が多元化することは至極当然のことだ。一元化するためには13億人中の12億9999万人の口を封じるしかない」と反論した。

 毛沢東思想で一元化し社会問題を封じ込め、共産党による政権掌握を延命させる。毛思想の台頭は「懸念される」とウォール・ストリート・ジャーナルは指摘した。

(翻訳編集・張凛音)

 

 

 

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