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金融サプライチェーンの断裂 苦境に追い込まれる中小企業

 【大紀元日本6月6日】今年4月以降、浙江省温州市では、企業経営者が行方不明となり、操業停止や倒産の苦境に追い込まれる企業が相次いだ。三旗集団(電気関連)、ポートマン(外食・ホテル関連)、江南皮革といった地元で有名な企業も含まれていたということを、国内経済紙「21世紀経済導報」が明らかにした。

 報道によると、温州地内の永嘉県黄田鎮だけでここ1ヶ月100社を超える中小企業が倒産したという。このような「集団倒産」の現象は温州に限らない。当局が公表した統計によると、今年初頭の2ヶ月、中小企業の15.8%が赤字経営に陥り、損失額は前年比22.3%増を記録した。統計されていない零細企業はさらに深刻と見られている。

 金融サプライチェーンの断裂が原因

 賃上げ、人民元引き上げ、省エネ対策などが中小企業を苦境に追い込んだ要因として挙げられるが、最も直接的な原因は金融サプライチェーンの断裂である。

 5月18日、中国人民銀行(中央銀行)は、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を0.5%引き上げた。今回の引き上げは、今年に入ってすでに5回目となる。この預金準備率の引き上げにより、金融機関による貸出量を3,700億元凍結することができたと試算されている。インフレの圧力の下では、金融引締めによる貸出額の急減は、もともと楽観視できない中小企業によって、泣き面にハチだ。

 金融引締めによる貸出枠の縮小に伴い、上昇する貸出金利も中小企業にとっての痛手となる。資金繰りに苦しむ中小企業は、殺到する注文を断らざるを得ない。銀行融資が受けられない中小企業は民間に目を向けるが、民間の貸出金利も引き上げられ、年率100%のところまで現れたという。金融サプライチェーンの断裂は、「集団倒産」や経営者の行方不明をもたらしている。

 マクロ経済調整がもたらす「陣痛」か

 広東社会科学総合開発研究センター主任研究員の黎友煥氏が「上海証券報」に対し、現在、中小企業に存続危機をもたらしている主要原因は、現段階の中国の経済発展からくる産業構造調整のほか、金融引締め政策など多様な原因が重なったからだと答えた。

 国家情報センター経済予測部研究助手の徐策氏も、中小企業が直面している苦境の原因は多重だと分析。インフレをコントロールし、物価安定をマクロ調整の目標とする政府の金融引締め対策は、間違いなく中小企業の融資環境に影響をもたらす。また、人民元の引き上げ、省エネ対策の強化、エネルギー浪費型企業の淘汰といった産業構造調整政策が、中小企業に与える影響も大きい。

 政策制定の問題として「マクロ調整がもたらす多方面の影響や、中小企業の実状への配慮が不足している」と徐策氏は指摘する。

(編集翻訳・林語凡)


 (11/06/06 09:16)  





■キーワード
金融サプライチェーン  倒産  産業構造調整  


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