THE EPOCH TIMES

「官すなわち商」中国鉄道部幹部、18企業で代表取締役を「兼任」

2011年07月12日 06時00分
 【大紀元日本7月11日】6月27日、中国共産党第11回全国人民代表大会の常務委員会第21回会議において、監察署監察長・劉家義氏による報告『2010年度中央予算執行および其の他の財政収支についての監査報告』が伝えられた。同報告は、党中央の各部門における2010年度の予算執行の状況と財政収支の結果、およびその過程において見出された主要な問題について報告するもの。

 それによると、鉄道部(交通省にあたる)に所属する情報センターのなかで、6人の局級幹部が関連企業の要職を兼任し、うち一人は18もの企業で代表取締役を勤めていたという。

 「官すなわち商」こそ腐敗の温床

 党員であり国家の要職にありながら、民間企業などでのサイドビジネスに励む官僚の蔓延は以前から知られてきたが、同報告に見られるような18もの企業での「兼任」は例がなく、各界の注目を集めている。

 中国の経済学者・綦彦臣(き げんしん)氏は、「鉄道部は、経営上の自主改革もせず、政治思想面での向上もなさない、言わばどっちつかずの部門であり、やったことと言えば民間企業との兼任、すなわち政商化だ」と話す。

 官僚が企業の取締役を兼任するケースは多く、鉄道部以外の部門においてもある。国務院国有資産監督管理委員会(略称・国資委、国有企業を管理・監督する組織)は、行政機構でありながら、そこから大手国有企業の社長を派遣している、と綦氏はいう。

 また綦氏は、このような「兼任」は腐敗を伴いやすいという。綦氏の調査によると、鉄道部による鉄道工事の請負や入札をめぐっては、至るところに官民癒着の構造があり、裏取引がおこなわれている。「官すなわち商」という状況が、鉄道部の工事請負などにおいて、外部には聞かせられない腐敗を生みだしているという。

 『経済観察新聞』の報道によると、2011年2月に失脚した鉄道部元部長・劉志軍は、一味の手下である丁羽心らとともに、ある鉄道建設プロジェクトの裏工作を通じて、内定した企業を落札できるようにした。丁羽心らは、その目標落札額の2.5%~4%を仲介費として受け取り、総計8.22億元(約115億円)を手にしたという。しかし、これは氷山の一角にすぎない。

 また、香港「明報」の報道によると、元鉄道部運輸局長で中国高速鉄道の第一人者と呼ばれる張曙光も、劉志軍に続いて失脚。張は劉の右腕として、劉が収賄をおこない高速鉄道の工事を分配する上での実行者とされている。張は、妻に米ロサンゼルスで三つの豪邸を持たせており、また米国とスイスの銀行に28億ドルの預金を蓄えているという。

 張曙光は、家族を早々と外国に出国させ、自分だけ形式的に本国に残っている中国の官僚、つまり「裸官」の典型なのである。

 政治権力に監視なく、法的規制は「飾りもの」

 中国・杭州の異見人士・鄒巍(すう ぎ)氏は、大紀元のインタビューに対し、「これは明らかに、中国大陸における政治の独裁が招いた、体制の内部で官と商の区別がなされないという弊害だ」と答えた。

 鄒氏はまた、政府と企業が区別され、官僚が企業の役職を兼任できないという法的規制があったとしても、政治権力への監視がないため、根本的に役に立たないとした上で、「ある意味で、中国の法規とは人に見せるものであり、中共の権力を制約することのできない、ただの『飾りもの』にすぎない」と述べた。

 今回発表された同報告書は、法規に違反している「兼任」官僚の名前と職務を明らかにしていない。もしも、監査署がこれらの官僚の名前を把握していないなら、監査の本来の職責を果たしていないことになり、また、それらの情報を把握しながら公に明らかにしていないとすれば、監査としての対応が甘過ぎることになる。それらの「兼任」官僚に汚職の事実があるかどうかも、熟考に値する問題であろう。

 多すぎる汚職、驚かない民衆

 広州市在住の蔡さんは、このニュースを聞いて、全く驚かなかったという。「予想外だが、びっくりはしない。中国の官員は汚職事件が多すぎて、ほとんど毎日このようなニュースが見られる。どこかの高官のスキャンダルだとか、汚職だとか、多すぎて驚かない」と蔡さんは述べた。

 インターネット上でも、このニュースは多くの関心を寄せているが、大多数は政府に対する失望と怒り、悲しみの声だ。

 「悲しい。これがわが国なのか。なぜ庶民がますます貧しくなるか、お前らにその理由が分からないのか」と、汚職官僚に対して、ネットユーザー・雨林はミニブログで叫ぶ。

 「権力があるから、お金も手に入る。まさに搾取の段階に入ったのだ。権力がなければ、どうやって18企業もの代表取締役になれるのか」と、同じくネットユーザー・飛翔はため息を漏らした。

(翻訳編集・王知理)
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