THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(21) 挟撃される温家宝の行方は?(その2)

2011年07月04日 07時11分

 6月27日、英国を訪問した温家宝は、王立協会での演説で、ふたたび民主自由に言及し、政治改革の必然性を強調。中国の未来像を示した。昨年以来、10度目の政治改革に関する主張にあたる。

 注目すべきことは、政治改革などで温家宝と対立していると思われる保守的な胡錦涛も、7月1日の中共建党90周年記念大会での演説で、政治改革をすべきだと主張している。しかし、内実が欠けているため、ただ難局を乗り越えるためにお茶を濁したに過ぎず、在任中には実質的な進展はないと思われる。

 一方、温家宝は本腰で政治改革を実現しようとしているだけに、多方面から圧力がかかっており、反作用としてダイナミックな展開になるかどうかが注目される。

  ■温家宝は民間の毛派と指導部の左派らから挟撃

 温家宝の主張は、中共の中枢部、民間に多大な反響を及ぼしている。一つの反応として、「人民日報」は四月二十八日の社説で「執政者は抱擁心を以って特質的思惟に対処すべき」を掲載し、言論の権利を守るべきだと主張していることが挙げられる。

 五月二十五日の「人民日報」では、「中紀聞」(中紀委、すなわち中共中央紀律検査委員会のこと)の文である「党の政治紀律を断固と守る」を掲載し、上記社説の「執政者は抱擁心を以って特質思惟に対処すべき」と真っ向から相対している。

 この文は胡錦涛の「六つの許せない」令をふたたび提起している。胡錦涛が中共第十七期中央紀律検査委員会第二回全体会議で提出したもので、その内容は以下の通り。

 「民衆の中で党の理論と路線方針に背く意見を撒き散らすことは決して許さない。中央の決定に背く言論を公に発表することは決して許さない。中央の決定した方策に面従腹背することを決して許さない。政治的デマを作り上げたり伝えたりすること、党と国家のイメージを醜く描くことは決して許さない。いかなる形式でも党と国家の機密を漏らすことは決して許さない。各種の不法組織とその活動に参加することは決して許さない」

 この文は、一部の党員と幹部が、党の重大な政治問題にかかわることについて勝手気ままに論じ、勝手に行動していると厳しく批判している。

 五月三十一日、「新華ネット」はまた、「中共はなぜこれほど党の政治紀律を守ることを重ねて強調するのか」と題する文を掲載。「党の団結と統一を守り、党に忠実で真面目であり、言行一致し、あらゆる派閥的組織と小集団的活動に断固として反対し、面従腹背し二股かけている行為とあらゆる陰謀詭計を反対する」ことは、党員としての義務であると強調している。

 この文はさらに、ソビエトや東ヨーロッパ社会主義陣営の崩壊を鑑み、激変する国際情勢も例に挙げ、党の政治紀律を厳格に守る重要性と切迫性を説明している。そして、「西側の敵対勢力は、我党を戦略的に自由民主化・分化させようと企てており、中国に対しあらゆる手段を以ってイデオロギー的な浸透を行うため、思想領域の矛盾と闘争はより激しくなっている」と指摘する。

 前述の指摘はいずれも温家宝に対する批判と非難と思われ、中共の指導部が分裂している徴候だと見なされている。

 この文が発表された後、左翼の毛派はたいへん興奮し、矢先を一斉に温家宝に向けて彼の「二大保守勢力論」を大々的に批判し、温家宝の言論は薄煕来および毛沢東思想を継承する左派への批判だと非難している。「もし、温家宝の反革命的談話がなかったならば、茅于軾のような文章の出現があり得ず、茅于軾の背後にある黒幕は他人ではなく温家宝である」としている。

 中共全体が左へ転ずる中、温家宝降ろしも再び激烈化してくる。

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