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新唐人テレビ局が主催した第3回全世界中華料理コンテスト。米ニューヨークタイムズ・スクエアで(大紀元)

伝統を模索  ニューヨークに漂う天朝の風味

 【大紀元日本8月9日】ニューヨーク市からの支援を受け、今年も中華料理コンテストがタイムズ・スクエアで開催される。 正統な中華料理の調理技法に焦点をあて、古代から伝わる中国の飲食文化を世界にアピールすることがコンテストの主旨だ。

 中華料理の源流は悠久の歴史に遡る。歴代の名シェフを通じて伝承され、独自の特徴ある流派が生まれた。「色、香り、味、形」を重んじる正統な中華料理を代表する5大流派は、四川、山東、広東、淮揚、東北が挙げられる。

 新唐人テレビ局が主催する全世界中華料理コンテストは、正統な中華料理の調理技法を発掘・伝搬することを目的とし、全世界では最大規模のもの。世界中から一流のシェフが集まり、切磋琢磨する。
コンテストで腕前を披露するシェフたち(大紀元)


 週刊誌『新紀元』はニューヨークとラスベガスを訪問し、大会審査委員の曲運強氏、陶震宇氏と第3期広東料理の金賞受賞者である鄭沢氏にインタビューした。中国大陸や台湾、香港、海外での中華料理の現状、および今年3回目となる全世界中華料理コンテストの反響について語ってくれた。

 曲運強氏は、去年初めてニューヨークのマンハッタンにあるタイムズ・スクエアで中華料理コンテストを開催した。ここはマンハッタンの中心地にあり、「世界の十字路」と称される。「マンハッタンでの料理コンテストは前例がない。新唐人によるタイムズ・スクエアでの料理コンテストは、可能性を切り開いた形となり、ニューヨーク市からの強い支持も得た」

 コンテストに参加したシェフたちの中には、感動して涙を流す人もいるという。中国大陸からの観光客は写真を撮ったり、親指を立てたり、華人としての誇りを強く感じていたようだ。

 西洋のステージで 中国の貴重な宝物を発掘

 コンテスト後のレセプションでは、多くのアメリカの美食コラムニストが口を揃えてコンテストを称賛する。「一部の料理は非常に美味だった。中国大陸でも食べられない。知られざる中華料理の内涵があった」

 曲運強氏は、次のように語る。「今年のコンテストは昨年よりさらに盛大な規模になる。料理コンテストは、中国人シェフたちの地位を高め、より多くの人々に中華料理を知ってもらうチャンスでもある。 今年は、世界各地のシェフたちが腕によりをかけて中華料理の真髄を表現することだろう」

 ここ3年間、コンテストにはフランス、イギリス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、アメリカ、台湾など世界各国のシェフたちが参加しており、二度の参加を果たしたシェフもいる。

 台湾で調理教室   志のある人に伝えたい

 台湾のシェフたちは技術が高く、第1回と第2回の決勝戦で銀賞を獲得した。しかし、 中国大陸との国交が50年余りなかったため、一部の料理の味に多少の陰りがみえた。料理コンテストを通じてシェフたちは互いに交流し、 魚の香りや辛味あんかけなどの異なる味が徐々に分かるようになってきたという。

 「何回かの大会を経て、シェフたちの本物の中華料理を追求する心が喚起された。多くの台湾シェフは、中華料理の習得を切望しており、中国大陸に渡る者もいたが、必ずしも目的を達していない。 将来、時機が熟したら台湾で料理教室を開き、伝統料理の調理法と特徴を伝えていくという構想がある」と、曲運強氏は胸の内を明かしてくれた。

 西洋社会の影響を受け 伝統の味が失われつつある香港

 ラスベガスレストランでシェフを務める陶震宇氏と鄭沢氏は、中国大陸・台湾・香港と海外における現在の中華料理の情況について語った。

 陶震宇氏は、「中華料理は味を重んじ、中国の調味料を用いる。香港は西洋料理と接触する機会が多いため、西洋の調味料を徐々に混ぜ込んだあげく、伝統料理の味は失われてしまった」

 鄭沢氏は、「香港には、伝統料理を伝承している由緒ある店も一部ある。ロースト・ダック、ワンタン、小麦粉で作った食品には、伝統料理が継承されている。しかし、香港の生活リズムは速く、異国の影響を受けているので、伝統料理の味を保つことはとても難しい」と語った。

 中華シェフの基本を抑える 米一流ホテル

 鄭沢氏は、「アメリカでの操業は容易ではない。アメリカ人、メキシコ人、フィリピン人など、95%の顧客は外国人なので、中華料理の味を外国人の好みに合わせないといけない。例えば、広東料理の味は本来薄いが、外国人はその味に慣れていない。また、同じアメリカでも、カリフォルニア州とニューヨークのチャーハンは異なる。味ではなく、チャーハンの色が違う」
ニューヨークのタイムズ・スクエアで、シェフたちが作った料理を味わう観客(大紀元)


 海外では、中華料理は西洋人の好みに影響され、味が変わってしまう。しかし、鄭沢氏は 「アメリカ大手ホテルの中華シェフたちは、皆中国の伝統料理を生み出すための基礎をしっかりと抑えている」と指摘した。

 鄭沢氏は若いころからレストランで働き、祖父や父親、叔父から料理法を受け継いだ。包丁を駆使する技、火を通す度合いなど調理の基本を学んできたおかげで、 第3回全世界中国料理コンテスト広東料理チームの金賞を獲得。鄭沢氏はラスベガスの大手ホテルで重用されているだけでなく、大学でも教鞭をとる。

 鄭沢氏は 「真にアメリカでの成功を狙うなら、少なくとも伝統料理を理解し、基本の伝統料理の調理基礎を持つこと。こうして、さらなる伝播が可能となる」

 中華料理の伝統継承が途絶える中国大陸  素朴さを失った人心

 陶震宇氏は、「現在、中国大陸や台湾、香港では中華料理の伝統が継承されておらず、特に中国大陸は最も深刻な状況に陥っている。 中国人の根本には伝統があるが、政府はひたすら経済効果だけを求めている」と指摘。

 
コンテストは正統な調理技法を伝承し、中華料理をアピールする一つの場(大紀元)

「伝統料理は、時間をかける。田畑から栽培され、化学肥料を加えない食材を仕入れることから始まり、清浄で、自然なものにこだわる。非常に厳格だ。現在は、まだ熟していない果物を狩り、熟成促進剤を投入するなどして、早く利益を得ようとする」

 「山東省の人々も変化した。金儲けのために孔子文化を利用している。観光地、記念品、孔府料理など、全てにお金を要する。以前、孔府料理は10人の食膳に限られていたが、今では、世界中から料理を味わうために駆けつける。現地の食材には限りがあるため、だんだん、ほかのものを混入するようになってしまった」

 伝統の発掘と伝播 大志を抱くシェフ

 曲運強氏は、次のように語る。「中華料理は中国大陸に源を発しているが、社会的に道徳観が下落し、政府も伝統をないがしろにしたため、技能がだんだん失われてしまった。韓国人は、ちまきは彼らの発明だと主張し、文化遺産として申請しようとしている。われわれ華人は食文化を重視しないと、伝統技術が本当に消えていってしまう。海外にいる華人たちは、伝統を伝えていく責任がある」

 陶震宇氏は、「中華料理コンテストは、伝統料理を伝承させ、若いシェフたちが理性的に認識しながら 、伝統料理の真の作り方を学べる場を設けてくれる」とコンテストの利点を強調した。

(翻訳編集・李頁)


 (11/08/09 07:00)  





■キーワード
料理  コンテスト  シェフ  新唐人  タイムズ・スクエア  伝統  


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