THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(101)進路決定 (上)(2007年)

2011年08月22日 07時00分
 【大紀元日本8月22日】2年制の高校の2年目には当然のことながら、進路決定を迫られる。大学に進学するのか、就職するのか、ギャップイヤーをとるのかという選択肢だ。ギャップイヤーとは、一年間、海外などでボランティアなどをするために大学の籍をとりながら1年進学を遅らせることだ。

 以前は大学の学費は一切無料だったのだが、年間一律3000ポンドかかるようになり、年ごとに費用が上がって行くので、ギャップイヤーはあまり人気のあるオプションではなくなったようだ。また、大学に行くためには学生は政府が推進する制度を利用してローンを組むことになる。奨学金制度などは見当たらない。

 イギリスには大学受験はない。大学入学資格にあたるAレベルを修得するために2年制の高校にいく。最終試験の前に「見込み」という形で大学に申請し、予想通りの水準でAレベルを修得すれば、大学での籍が確保される。

 娘は、親の影響で大学に進むことにして、親の影響で中国語とビジネスを併合できるロンドンの大学での籍も「見込み」の形で確保された。しかし、そこには、娘の意思が感じられない。

 2年生の9月の面談で、美術の先生に「この先、どうするの」と尋ねられ、「実はいろいろな素材を試してみたい」と答えたら、地元の美術学校の基礎コースを進められた。このコースからオックスフォードやケンブリッジの美術学科に進む生徒も毎年輩出していると、東洋系の教育ママの私を意識して、美術の先生がコメントしてくれた。地元の学校で一年過ごせる可能性を耳にして、娘のどんよりしていた表情に輝きが出て、「あと1年、コーンウォールから離れなくていいんだ」と安堵の声を漏らした。田舎から都会に出る心の準備がまだできていなかったようだ。

 ギャップイヤーを取ることには反対だった夫にその場で電話して、一年大学進学を延期して美術の基礎コースに行くことに賛同するよう説得した。

 (続く)

 著者プロフィール:

 1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。

関連キーワード
^