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中国経済の再均衡、阻害重なる=ニューヨーク・タイムズ

 【大紀元日本9月26日】北京にせよ、成都にせよ、中国の地方政府の官僚たちは中国の経済成長に関して、心の中でははっきりした認識がある。インフラ建設や輸出工業への依存から脱却し、内需拡大による消費型経済成長への転換が大変困難である。ニューヨーク・タイムズは先月、中国の経済構造の再均衡を実現させるに当たって、多重の阻害に直面すると報道している。

 米副大統領バイデンが先月訪中した際、四川省で中国の習近平副主席と会談した。中国当局はこの会談を利用し、メディアを通して世界に向かって次のように発信した。中国はこれからも持続的経済発展を実現し、同時不況に陥った世界経済を牽引する。

 しかし、専門家の間では、これを実現させるには、中国経済の構造を徹底的に「再均衡」させなければならないとの認識が示されている。

 成都を例にして言えば、オフィスビルや住宅建設の工事現場が至るところに溢れている。他の内陸都市も同様な現象を持っているのが一般的である。

 ニューヨーク・タイムズの報道によると、目下、中国の経済成長モデルがもたらした過度な資源浪費、貧富の差とインフレ(統計局の資料によると、8月のCPI上昇率は6.2%)は、当局からすれば、皆社会的不安定要素である。そのため、中共の第12次5カ年計画の中、この焦眉の急を突破し、家計部門による購買力の向上を期待する内容を盛り込んだが、その実効性は疑わしいものである。

 欧亜集団(Eurasia Group)の中国アナリスト、方艾文(Evan A. Feigenbaum)氏が最新の報告の中で次のように述べている。「中共の指導者たちは自分たちの国の経済の総体変革を約束したが、中国の政治経済の基本的な部分における改革は多くの国内外の関心のある人の期待を裏切るものとなろう。今後10年、中国経済の苦境は人の想像を絶するものとなる」

 また、北京大学の経済専門家・姚楊氏によると、国内経済においては、企業と地方政府は潤沢な資金を保有しており、民間消費を刺激し国民の不満を抑えるために福利厚生を増加せねばならない。このことについて、中共の指導者たちははっきり知っているはずだ。

 しかし、この種の変革を実施するにあたって、相当な阻害が待ち受けている。たとえば、私営企業の生存空間を犠牲にして、国有企業の発展を強化させており、その結果市場原理の運行が損なわれている。大型国有企業の政治への影響力は大きく、同時に、国有銀行も政府がバックアップする投資案件への融資を好んでいる。これらの投資案件の多くは資本集約的なインフラ関連や不動産関連のものである。

 一方、地方政府は上記のような資本集約型投資を支持するインセンティブが極めて大きい。これらの投資を増やすことにより、地方のGDPが目を見張る数字になるからだ。地方政府官僚の腐敗との関連も一因となる。大型の投資案件こそ多額の賄賂を受け取れるからだ。

 リーマンショックの後、中国政府は5860億ドルの大型景気刺激対策を採った。しかし、政府が今夏に公布した統計からの予測では、地方政府の負債総額は2.4兆ドルから3.1兆ドルにまで膨らんでおり、昨年の全国のGDPの半分にも及ぶ数値である。これだけの債務返済のための利息負担は年間1500億ドルにも達する。巨額の負債残高と利息支払いの負担から、銀行の不良債権の増加に直接影響を与え、インフレや貯蓄の減少などの悪循環に陥る危険性が大きい。

 中共の指導者は現状認識をしたうえでのさらなる改革への意欲はあるものの、有効な手段を実行できない理由は明白である。莫大な富を積んだ利益集団と強大化した国有企業は自分たちの既得権益を損なうような改革を許さないからだ。こう考えれば、中国経済の再均衡を阻害しているのは、中共の体制的阻害にほかならないのである。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/09/26 08:20)  





■キーワード
持続的経済発展  成長モデル  中国式経済発展  体制の変革  


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