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格付け大手フィッチ、中国銀行セクターに再度警告

 【大紀元日本9月6日】国際格付け大手のフィッチ・レーティングは8月31日に発表したレポートで再度、中国の銀行セクターが将来数年内に非常に大きなリスクに直面すると警告し、バブル化した中国不動産市場が銀行の資産クオリティの最も大きなリスクとなっているとの考えを示した。不動産業界は様々な領域で中国経済に大きな影響を与えており、そのため、銀行業界は不動産市場から直接的な影響だけでなく、他の業界の不動産市場への投機活動でもたらされる間接的な影響をも受けている、と指摘。

 8月31日付ウォールストリート・ジャーナル紙中国語電子版によると、フィッチ・レーティングの中国金融機関格付け担当のシャーリーン・チュ氏は、「2009~2010年の2年間において中国政府の金融緩和政策により、インフレ圧力が強められ不動産バブルも膨張した。地方政府及び不動産関連企業への過剰な融資は信用リスクをもたらした。現在、金融市場は金融機関の不良債権が10年前の状態に後戻りするのではないかと懸念している。それが現実となれば、銀行セクターに大きなダメージを与えるだけでなく、中国政府当局がこれまで銀行セクターを改革してきた努力も無駄になるだろう」と話した。

 また、チュ氏は政府当局は不動産バブルを沈静化するために一連の不動産価格抑制政策を実施してきたが、上海、北京などの大都市の住宅価格が依然として高い水準にあることに関して、「(それらの政策は)ある程度で一定の効果があったが、最終的な効果は不明だ」とした。不動産関連企業への融資制限措置について、チュ氏は「一部の投資家はこれが一時的なことだと考えている。これらの措置で不動産開発業者に何らかの変化を生じさせるということはないだろう」と述べた。

 今年3月、フィッチ・レーティングが発表した格付け調査レポートでは、2013年半ばまでに中国で起きる銀行セクター危機の確率は60%に達すると記されている。6月にも中国の銀行セクターに警告を発した。その後、同格付け大手のムーディーズや金融大手のクレディ・スイスなども相次いで中国の銀行セクターについて懸念を示した。

 クレディ・スイスは6月20日、中国本土銀行セクターの投資判断を「買い」から「売り」に引き下げたと同時に、中国の経済成長率見通しを下方修正した。

 一方、ムーディーズは6月28日に開催した銀行セクター年度シンポジウムにおいて、中国銀行セクターの不良債権(NPL)が総貸出に占める比率は今後、現在の1%から5%に上昇するとの見通しを示した。

(翻訳編集・張哲)


 (11/09/06 07:43)  





■キーワード
銀行セクター  融資  不動産バブル  不良債権  


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