次期米インド太平洋軍司令官、中国による台湾侵攻の脅威は「差し迫っている」

2021/03/25
更新: 2021/03/25

次期米インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ(John Aquilino)海軍大将は23日、中国による台湾侵攻の脅威は深刻であり、多くの人が考えているよりもその時期がはるかに切迫していると警鐘を鳴らした。

同氏は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で、中国共産党政権は台湾に対する支配権を取り戻すことを「最優先課題」と位置付けていると指摘した。

まもなく退任するインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン(Philip Davidson)司令官が最近、「中国が今後6年以内に台湾を侵攻して支配下に置く可能性がある」との見方を示した。

アキリーノ氏は「脅威があまりにも大きいため、米国は当該地域(インド太平洋および台湾海峡)での防衛力強化のため提案されている270億ドル(約2兆9000億円)規模の計画を近いうちに緊急に実施する必要がある」と主張した。

同氏は「中国が台湾を侵攻すれば、台湾を経由している世界貿易を脅かす可能性があり、また日本・韓国・フィリピンなどアジアの同盟国が米国に寄せる信頼が損なわれるという二つの大きな懸念がある」ことも強調した。

台湾中央社の報道によると、アキリーノ氏は現在、中国の台湾に対する軍事的圧力が日に日に高まっているとし、米国は、信頼できる抑止力を維持することで「台湾関係法」への継続的な支持を表明した。

アキリーノ氏はまた、中国軍は台湾侵攻における決定的な優位性を得るために、幅広く先端武器やシステムを配備し続けていると述べた。

アキリーノ氏は中印国境紛争や香港、新疆ウイグル人への圧政を例に挙げ、「我々はこうした出来事を目にするとは想定していなかったと。私が事態の切迫感について言及し続けているのはそれが理由だ。今すぐ準備すべきだ」と述べた。

アキリーノ氏は、米国は、3つの共同コミュニケ、「台湾関係法」と台湾に対する「6つの保証」の長期承諾に基づき、台湾が十分な自衛能力を維持できるよう支援することを改めて表明した。

米中関係について、アキリーノ氏は米中は将来に対して異なる見解を持っているとし、中国は、ルールに基づく国際秩序と矛盾する世界をつくりたいと考えていると指摘した。同氏は、誤解や誤判断のリスクを減らすために、中国との建設的で安定した結果志向型の防衛関係を引き続き求めていくと述べた。 

(大紀元日本ウェブ編集部)

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