印刷版   

人っ子一人いない白鳥神社の境内

【ぶらり散歩道】--長野篇-- 北国街道の海野宿 (うんのじゅく)

 【大紀元日本12月1日】上信越自動車道の東部湯の丸インターチェンジを出て、国道18号線(北国街道)の県(あがた)交差点を過ぎて右折すると、海野宿手前に比較的大きな駐車場(普通車300円)がある。ここから歩いて数分先が海野宿(うんのじゅく)である。
樹齢700年の欅


 東御市にある重要伝統的建造物群保存地区に指定されている海野宿は寛永2年(1625)に、北国街道の宿駅として開設されている。宿場の東西には枡形が置かれ、その間、約6町(650m)で、街道の中央に用水を引いて、本陣を始めとして旅籠屋、伝馬屋敷が並んでいた。宿場の東端には白鳥神社があり、中世の豪族海野氏、時代が下って真田氏の氏神だった。少し寂れた境内には、樹齢700年と言われるご神木の欅がある。目通り周囲7.3mの大樹である。近くに媒(なかだち)地蔵尊(縁結び地蔵)がある。元禄4年に地蔵寺として建立された。昭和26年に焼失、平成7年に新たに建立された。宿場の街道は、日本の道百選にも選ばれている。

 現在残されている町並みには、出梁造りの旅籠屋、「海野格子」と呼ばれる2階の出格子、卯建のある江戸時代の建物などが現存している。それとともに、明治以降の養蚕、蚕種業が盛んだったころに作られた櫓の付いた蚕室造り建物にも、宿場時代の伝統的な形式が受け継がれていて、調和のとれた町並みになっている。

 街道の片隅に、遠慮したような小さい句碑が朝日を浴びて立っていた。「夕過の 臼の谺の寒さ哉一茶」 碑には、一茶が文化9年11月に海野宿で泊まったと刻まれていた。

 宿の中ほどに、寛政年間(1790ごろ)に建てられた建物をそのまま使っている海野宿資料館がある。旅籠屋造りと明治以降の養蚕農家の特徴を兼備した海野宿特有の建物で、宿の風土、歴史、資料などが展示されている。海野宿の歴史がよくわかる、一見の価値がある資料館である。

 街道をはさんで建物は多いが、商売をしている家が少なく、少々活気のないのが気になるのだが…。こんなところが、交通の便がよいのに観光客の少ない原因の一つではないだろうか。会津の大内宿はこの宿よりも小規模で、交通の不便な場所にありながらも活気に溢れている。もう一度、海野宿を見直して、往時の盛況を取り戻してもらいたいと思っている。

海野宿 〒389-0518長野県東御市本海野1098 
電話:0268-64-1000
海野宿資料館 入館料200円 開館時間:9:00~17:00 
休館日:12月21日~2月末日



梲(うだつ)が上がっている建物

日本の道百選にも選ばれている海野宿

ポツンと一茶の碑が建っていた

(江間十四子)


 (11/12/01 07:00)  





■キーワード
ぶらり散歩道  長野  海野宿  


■関連文章
  • 【ぶらり散歩道】--北海道篇-- 北海道伝統美術工芸村(11/11/24)
  • 【ぶらり散歩道】--富山篇-- 称名滝(11/11/19)
  • 【ぶらり散歩道】--栃木篇-- ガラスの芸術 エミール・ガレ美術館(11/11/17)
  • 【ぶらり散歩道】--茨城篇-- 通り過ぎてしまいそうな古寺 佐竹寺(11/11/10)
  • 【ぶらり散歩道】--北海道篇-- 市立小樽文学館(11/11/03)
  • 【ぶらり散歩道】--岡山篇-- 備前焼まつり(11/10/31)
  • 【ぶらり散歩道】--宮城篇-- 仙台総鎮守 大崎八幡宮(11/10/27)
  • 【ぶらり散歩道】--富山篇-- 御菓蔵 (おかくら)(11/10/23)
  • 【ぶらり散歩道】--長野篇-- 諏訪市美術館(11/10/20)
  • 【ぶらり散歩道】--熊本篇-- 南小国町のそば街道(11/10/15)
  • 【ぶらり散歩道】--北海道篇-- 永山武四郎の旧邸(11/10/13)
  • 【ぶらり散歩道】--北海道篇-- 金井英明 心のふるさと美術館(11/10/06)
  • 【ぶらり散歩道】--石川篇-- 世界遺産 「千枚田」(11/10/03)
  • 【ぶらり散歩道】--山形篇-- 鶴岡カトリック教会天主堂(11/09/29)
  • 【ぶらり散歩道】--福岡篇-- 放生会(ほうじょうや)(11/09/24)