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佐竹寺 仁王門

【ぶらり散歩道】--茨城篇-- 通り過ぎてしまいそうな古寺 佐竹寺

 【大紀元日本11月10日】常磐自動車道日立南太田インターチェンジで降りて県道61号を走って約20分、「佐竹寺まで0.1㎞」の小さな看板が目に入って、あわててブレーキを踏んだ。看板がなければ行き過ぎてしまうところだった。門前の空地が駐車場になっているらしいので、先客の車の横に駐車した。

 佐竹寺は鎌倉時代から江戸時代にかけて常陸の国を支配した佐竹氏代々の祈願所で、大同2年(807)の徳一による開山、または寛和元年(985)に花山天皇の勅願を受けて、元密上人が創建したと言われている。当時は聖徳太子作の十一面観音像が祀られていたので、観音寺と呼ばれていた。一時は隆盛を極めたが、佐竹氏の秋田移封に伴って衰退していった。明治になって廃仏毀釈によって荒廃し、昭和24年(1949)まで無住寺だった。

 千社札だらけの仁王門は昭和15年の建立だが、仁王像は江戸時代の作と言われている。稚拙な作りのように見えるが、チョッと笑みをたたえた表情、妙に肉感的な体が力強さを表現している。

 仁王門をくぐり抜けると、正面に本堂が建っている。天文12年(1543)に兵火で焼失したが、天文15年(1546)に佐竹藩18代目藩主佐竹義昭が再建したもので、どっしりした姿は重厚さを感じさせる。大きな茅葺の主屋のまわりに裳階を巡らして、屋根が二重になっているように見える。花頭窓や組物なども実に見事な細工で、桃山建築の先駆として注目されて国の重要文化財に指定されているのも納得できる。しかし、千社札がすきまもなく貼られているのは国重文に対する冒涜であり、実に腹立たしいことである。また、本堂も仁王門も荒廃が進んでいて、痛ましい限りである。本堂入口の両側に、小さな地蔵尊が何体も並んでいるのは微笑ましいが…。

 佐竹寺:〒313-0049 常陸太田市神林町2404

 電 話:029-472-2078 アクセス:JR水郡線常陸太田駅から徒歩30分

 駐車場:8台 拝観料:無料 

 
本堂入口の前に並ぶ地蔵尊

(江間十四子)


 (11/11/10 07:00)  





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ぶらり散歩道  茨城  佐竹寺  


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