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北極海の氷の縮小は、生態系に影響を及ぼしている(AFP PHOTO/FILES/Paul J. RICHARDS)

かつてない規模の解氷=北極海 

 【大紀元日本12月6日】科学誌ネイチャーが掲載した研究によると、北極海の氷がほぼ1500年来、過去最大の規模で縮小していることが明らかになった。

 同報告の共同研究者である、カナダ天然資源(Natural Resources Canada)の氷河学者クリスチャン・ズダノヴィッチ(Christian Zdanowicz)氏は、「最近の解氷は、前例にない速度で進んでいる」と語り、解氷の人為的な誘因を示唆している。

 また、今年9月には、ドイツのブレーメン大学がNASAアクア衛星搭載のセンサーによる北極海の海氷観測データを分析し、海氷面積の縮小の度合いが記録破りであるという結論を出した。米国の国立雪氷データセンター(NSIDC)では、別の資料をもとに北極海の海氷面積が2007年以来、2番目に小さい規模を記録しているとも伝えている。

 ここ数年の北極海での解氷状況は、多くの要因が同時に作用したために生じている。

 「全ての指標が上昇している。海面温度と大気温度が上昇し、海水温度も暖かくなっているうえに、暖かい海水が北極圏に流れ込んでいる。このため、海氷は上部からも底部からも同時に溶け出している」。観測史上、これらの要因が同時に発生・作用したことはなかったと同報告の主執筆者であるクリストフ・キナード(Christophe Kinnard)氏は述べ、この規模の海氷縮小は、1450年間、見られなかった規模であることも指摘する。

 同氏は、温室効果ガスとの関係を取り上げ、この現象を「自然な」過程によるものと説明し、一つの結論にたどりつくことは難しいと述べた。

 一般的に、気候変遷の兆候は北極よりもその他の地域の方がはっきりしており、海氷は主な指標のひとつとみなされている。北極の生態系の指標として海氷が重視されているのは、これらの海氷がプランクトンから白クマまで、すべての動物の生息地にあたるからである。

 日に日に消失する北極の氷。逆に資源開発や商船運輸の可能性など、以前は考えられなかった領域が開けている。

 (翻訳編集・市村)


 (11/12/06 07:00)  





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北極海  海氷  気候変遷  


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