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高さ21メートルの三重之塔

【ぶらり散歩道】--茨城篇-- 村松虚空蔵堂と村松晴嵐

 【大紀元日本12月29日】常磐自動車道東海スマートインターチェンジで下りて、国道6号線を横切って直進する。国道245号線とのT字路交差点で右折して南下し、東海村の原子力研究所を過ぎると、村松虚空蔵尊前の信号がある。交差点左手には、公衆トイレと駐車場がある。ここに車を駐車して、歩いて5分弱で鳥居前に着く。鳥居前にはわずかな数だが、お土産を売る商店や旅館もある。

 村松山虚空蔵堂は807年(大同2)、弘法大師によって創建された。本尊の虚空蔵菩薩は弘法大師が鎮護国家、万民豊楽、平和祈願のため、一刀三拝の礼を尽くして刻んだもの。同山は平安末期から約500年の間、領主佐竹氏の保護を受け、近世では徳川家康から朱印地50石を寄進されて、徳川光圀の庇護の下に栄えてきた。

 現在は真言宗豊山派に属して、三重県伊勢の徳一満虚空蔵、福島県柳津の福一満虚空蔵とここの大満虚空蔵の虚空蔵菩薩が、日本三体虚空蔵と言われている。特に、智恵と福徳を兼備する村松虚空蔵は、初厄が始まる前の13歳(満12歳)に詣でれば厄除けの効果があると言われ、今でも十三詣でに訪れる人が多いと言われている。

 奥の院参道を上った所に、「野を横に馬引けよ時鳥」の松尾芭蕉の句碑と、「おう土よ生けるものよその黒さに太古のかほりがただよっている」の室生犀星の詩碑が建っている。三重塔の前の坂道を上って行くと、小高い丘の松林にたどり着く。砂地の中の大きな飛び石を踏んでいくと、徳川斉昭(烈公)が選んだ水戸八景の一つ「村松晴嵐」の石碑が建っていた。木漏れ日の中の丸い石碑に、木の葉の影が舞っていた。

 烈公はこの地を

 真砂地に雪の波かと見るまでに

 塩霧晴れて吹く嵐かな

 と詠んだ。烈公がこの地を詠んでから180年近く経っている現在、白浜は見えないが、松林の梢を渡る風の音は往時のままだろう。

 村松虚空蔵堂 319-1112 茨城県那珂郡東海村村松8 

 電話029-282-2022

本堂から見た仁王門

室生犀星の詩碑

碑の文字は烈公の書で、「邨」は「屯」と「邑」をあわせた古代文字

鐘楼堂の奥が本堂

(江間十四子)

 (11/12/29 07:00)  





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ぶらり散歩道  茨城  村松虚空蔵堂  村松晴嵐  


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