THE EPOCH TIMES

50年間で湖が243個消失 三峡ダムの影響が顕在化=長江調査報告

2012年01月18日 09時52分
 【大紀元日本1月18日】中国でこのほど、「長江保護と発展報告2011」が発表され、この50年間に、面積が1平方キロメートル以上の湖が243個消失したことが分かった。

 「長江の健康診断書」と呼ばれる同報告は中国科学院、世界自然基金会による共同研究プロジェクトで、2007年に第一回の報告書がまとめられ、今回発表されたのは三度目の報告書。主に湖の面積、分布、生態などに重点を置いている。

 報告書の中で、都市化の加速、温暖化の影響で、長江流域の湖では魚類の絶滅、生態系の破壊、水質の富営養化、用水供給能力の不足などの問題が存在すると指摘した。三峡ダムや南水北調など大型プロジェクトによる負の影響も顕在化しつつあるという。

 さらに、上流では地球温暖化で氷河の融水が増加したため、多くの湖の面積は短期間で増加傾向にあるが、長期的にみると、氷河の面積がいずれ減少し、融水を源とする湖は縮小し、消失にいたるとしている。長江流域では面積が1平方キロメートル以上の湖が過去30年間で96個が消失したという。

 中流では、3分の2の湖は農地の過度な埋め立てで消失し、貯水量が大幅に減少している。過去60年間に中下流を埋め立てたため、消失した湖の容積は5大淡水湖の貯水総量の1.3倍に当たる。そのため、周辺河川の水位の上昇を引き起こし、水害が頻発している。

 また、中下流では人口の増加と経済の発展と埋め立てによって、汚染と富営養化が深刻化している。2009年の長江流域に排出された汚染水は333.2億トンに上り、2003年より21.9%増となった。

 その影響で、2007~10年までの観測資料によると、中下流にある、面積が約10平方キロメートルの湖77個のうち、77%の湖は生活用水の基準に達しておらず、88.3%の湖は富営養化にあることが分かった。

 報告書は三峡ダムについても触れた。「三峡ダムの貯水でダム内に富営養化が進み、支流や周辺のダム、湾岸に藻類が増加している。ダムから流れる水に泥が含まれていないため、河川が深くなり、湖と湿地の生態にも顕著な変化が現れた。長江で土着の魚類が絶滅の危機に瀕している」と記した。

 また、2011年に発生した長江中下流の大旱魃についても、水利専門家は三峡ダムの貯水で流域の湖の調節機能を破壊したことが原因だと見ている。

 ちょうど報告書が発表された頃、中国国内メディアは長江流域の鄱陽湖は60年来の最低水位を記録したと報じた。もともと面積が4000平方キロメートルある同湖は現在200平方キロメートルしかないという。

(翻訳編集・高遠)


^