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(Jeremydeades/Creative Commons)

眠りすぎた僧侶

 【大紀元日本2月10日】時間は水のようなもの。手に取ることはできず、勢いよく流れる川のように、一瞬のうちに前を通り過ぎる。古人曰く、「君子はどんな大きさの翡翠にも見向きもしないが、時間ならほんの少しでも大切にする」。一瞬一瞬が積み重なって時間となる。後で振り返っても取り返すことができないのなら、その一瞬を大事にしたいものだ。

 昔、釈迦牟尼が行脚していた頃の逸話がある。ある日、釈迦牟尼が説法を始めようとすると、弟子の僧侶たちのうち一人だけ姿が見えない。釈迦牟尼がどうしたのかと弟子たちに聞くと、姿を見せない弟子は寝坊しているという。この弟子はとても怠惰で、座禅をしている時は居眠りをし、食事の後は必ず長時間の昼寝をする。他の弟子たちがとても真面目に修行している一方、彼だけは寝てばかりいて、釈迦牟尼の説法をいつも聞き逃していた。

 それを聞くと、釈迦牟尼は憐れに思った。なぜなら、この怠惰な弟子は、後7日間しか生きることができないからだ。釈迦牟尼は、弟子のアーナンダを連れて怠惰な弟子が寝ている場所へ行った。

 ねぐらに着くと、怠惰な弟子のいびきが外まで響き渡った。アーナンダが呼びかけても全く起きなかったので、釈迦牟尼が眠っている弟子を優しく揺り起こした。目の前にいる釈迦牟尼を見て飛び起きた弟子は、「尊師、申し訳ございません。弟子の不敬をお許し下さい」とひれ伏した。釈迦牟尼は、弟子に言った。「お前は、後7日間しか生きられない。お前が眠り続けたまま、修行せずに仏に成就できないのを見るのは忍びない。だから、お前を目覚めさせるために来たのだ」

 弟子は怯えた。すると釈迦牟尼は弟子を慰めながら言った。「お前は輪廻転生の中で、昔僧侶だったことがある。その時、美食と居眠りに耽り、法に対する認識が足りなかった。戒律を守らず、徳と福の行いでその種を蒔くことを怠り、徳を失った。そのため、米虫に転生し、5万年生きた。その後はミミズ、ムラサキ貝、蛾に生まれ、それぞれ5万年ずつ生きた」

 「今生、こうやって僧侶に生まれて罪を償うことができるのに、いまだに眠りに執着し、前世に生きた生命たちのように長時間眠っている。時間を無駄にし、修行を怠れば、また20万年前の時と同じになる。その後の結果がどうなるのか、よく考えなさい」

 釈迦牟尼の言葉を聞いた弟子は心から恥じ入り、悔恨の涙を流した。そして弟子はその日から懸命に修行に励み、すべての誘惑を退けた。人生の終わりに近づき、彼は羅漢に成就したという。

 人の一日は、24時間しかない。多くの時間を眠りに使えば、ほとんどを夢の中ですごし、あっという間に時間は過ぎていく。一生は長いと思っていても、いつ死が忍び寄り、人生が終わりを告げるか分からない。時間を大切にし、使命を全うできるよう、意義のある人生を送りたい。

 
(翻訳編集・郭丹丹)


 (12/02/10 07:00)  





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僧侶  怠惰  釈迦牟尼  修煉  


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