「子供たちよ、キミたちは爺ちゃんたちを興ざめさせちゃったんだ」=韓寒氏の削除されたブログ文

【大紀元日本5月15日】4月30日は万博開幕の日。その前日に起きた江蘇省泰州の園児ら32人が刃物男に刺傷された事件は、万博開幕の雰囲気に「水を差す」とされたのか、情報が隠蔽され、家族ですら収容された我が子に会わせてもらえなかった。さらに、30日当日にも山東省で小学生をハンマーで襲撃する事件が発生した。この2件を含み、3月末からの1ヶ月の間に子供を狙った殺傷事件が5件立て続けに起きた。

人気作家の韓寒氏は、万博報道の陰で押さえつけられたこれらの一連の事件について、『子供たちよ、キミたちは爺ちゃんたちを興ざめさせちゃったんだ』と題するブログ文を発表したが、ブログサイトの管理者に即刻削除された。現在は当ブログに1行のみ残っている、「爺ちゃんたちよ、歓を尽くしてください」と。

以下は削除されたブログ文:

泰州の園児も刺された。32人が負傷したと言うが、中に死者がいるかどうかは知るすべもない。(3月末の)福建省南平で発生した殺傷事件と発生日があまりにも近いので、同じ事件かと最初誤解しちゃったじゃないか。

最近の殺人事件はもっぱら幼稚園と小学校を狙っている。この出口のない社会に報復する人たちは、自分たちよりもさらに無力な人たちを襲撃することで、出口を見付けようとしている。最も無抵抗で無垢な園児と小学生を狙い、最も効果が大きい社会的恐怖を作りだす。これは彼らにとって最も「有効な」社会への報復手段となったようだ。全国政府機関の警備員は今後、子供たちの警備に当たるようにと進言したい。子供も守れないような政府はそんなに守られなくても結構。

これらの殺人事件を生んだ主な理由は社会の不正そして不公平だ。公平と正義を太陽よりも輝かせなければならない。しかし、この社会では、太陽は毎日出るわけではなく、曇りや夜のほうが多いではないか。ならば、公平と正義を太陽よりも輝かせることは別に偉いことではなく、毎日毎分毎秒太陽の日差しを届けるほうが偉いことなのだ。

泰州の園児殺傷事件後、情報が封鎖された。万博のお祭り気分の中では「雑音」と見なされたからだ。我々が知っているのは負傷者32人の情報のみ。政府と病院関係者は死者ゼロだと口を揃えるが、巷では死亡した子供もいると噂されている。どっちを信じればいいのだろうか。親の面会さえも許されない、病院やメディアへの厳戒態勢などからみると、死者ゼロはいささか信じがたいところがある。なら、インターネットで調べてみよう。「泰州」で検索したら、なんと「泰州に近日3大慶事が訪れる」と事件翌日の30日付のニュースが飛び出た。

泰州政府は情報や病院、メディアなどの徹底封鎖で、人々の怒りの対象を簡単に犯人から自分たちに移した。もちろん、これは彼らの狙いではなく、一貫した事件への処理法がもたらした結果なのだ。隠蔽、隔離、メディア封鎖、禁令を発する、政府見解を示す記事を配信、賠償、火葬、これら7ステップで構成された事件処理法は、犯人の犯行と比べてさほど高尚でもなさそうだ。「不正には根源がある。前方右には政府の役所がある」と学校襲撃防止に某小学校が立てた看板は人々の本音を代弁している。

1ヶ月で5件。1週間で2件。年齢の合計でもやっと100歳を超える32人の子供たちが殺傷されても新聞にも載せられていない。理由は簡単だ。数百キロ離れた向こうでは花火だけで何億元もかかった盛大なイベントが開かれ、キミたちの故郷にも国際旅行祭など3大慶事が訪れるからだ。

子供たちよ、キミたちは爺ちゃんたちを興ざめさせちゃったかもしれない。

可哀そうな子供たちよ、毒ミルクに毒され、不良ワクチンに害され、地震に押しつぶされたのはキミたちだ。大人たちのルールが崩れたから起こった問題なのに、大人たちがナイフを向けたのもやっぱりキミたちにだった。泰州政府が言うように、本当にキミたち全員が怪我だけで済み、一人も亡くなっていないことを心から祈っている。大人たちは責任を果たせなかったけど、キミたちが大人になった時、自分の子供だけを守るのではなく、すべての子供たちを守るような社会にしてくれ。

(翻訳編集・心明)