THE EPOCH TIMES

民主活動家の不審死事件、当局が再調査を約束も誠意が疑われる

2012年06月18日 12時47分
【大紀元日本6月18日】湖南省在住の民主活動家・李旺陽さん(享年61歳)の不審死をめぐって、香港で真相究明を求める抗議運動が勃発する中、現地当局は急遽、調査を行うと発表した。一方、当局の対応は7月1日に行われる香港返還記念式典前に事態の沈静化を図りたいとの思惑があるとして、疑問視する声が上がっている。同式典には胡錦濤主席が出席する予定。

 1989年6月4日の学生による民主運動「天安門事件」に参加したため、国家政権転覆の罪で延べ21年間投獄された李さんは6日、入院先の病院で急死した。警察当局は自殺と判断し、9日に遺族の反対を押し切って遺体を火葬した。しかし、厳しい監視下に置かれ、目も耳も不自由な李さんの死に不審点が多く、遺族らは当局が暗殺の証拠を隠滅するため、火葬を急いだと主張している。

 翌日の10日、香港で2.5万人の抗議デモが行われ、中国当局に李さんの死因の究明を求めた。世界各メディアも事件を取り上げるなど、世論が高まっている。

 後に、湖南省当局は李さんは予想外な死を遂げたと説明を変更した。公安当局も14日、「遺体を司法解剖し、さらに調査を行う」と結果を公表する意向を示した。

 しかし、「すでに火葬した遺体をどう司法解剖するのか」と、当局の対応の誠意が疑われている。

 北京在住の著名な人権活動家の胡佳氏や、香港の民主活動団体「支聯会」の李卓人会長らは、当局の調査を期待していないと相次ぎ見解を示した。

 香港紙「苹果日報」のコラムニストの李平氏は国際社会とメディアに対して、「中国当局に圧力をかけ、引き続き事件を追及すべきだ」と述べ、「そうしないと、再調査も自殺で終わってしまう」と指摘した。

 一方、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、現地の湖南省邵陽市公安局の局長の李暁葵氏は周囲に対して、事件の裏は非常に複雑で、自身は暗殺の指令を出していないが、何者かに責任を転嫁されるかもしれないと、話したという。

 香港行政トップの曾蔭権長官は14日、李さんの死に不審な点があると述べた。

 今年7月1日は香港返還15周年の記念日。胡錦濤国家主席はこの日、香港での祝典に出席する予定。中国当局の再調査の対応や、曾長官の異例なコメントについて、一部の専門家の間では、7月1日を前に、激化し続けている抗議を沈静化させ、祝賀行事の無事開催を図りたいため、当局が取った応急策に過ぎないとの見方が根強い。

 (翻訳編集・叶子)


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