THE EPOCH TIMES

台湾男性、不当拘束きっかけで再注目 命懸けた真相伝え「挿播」の真実

2012年07月09日 07時00分
【大紀元日本7月9日】親族訪問のため中国を訪れていた台湾人男性・鐘鼎邦さんが先月18日、中国当局に不当拘束されたまま、現在も行方不明になっている。拘束の理由について、中国国営の新華社は26日、鐘さんが中国大陸のテレビ放送の電波ジャックに関係したためと伝えた。この中国側の主張がきっかけとなり、2002年に中国吉林省の長春市で起きた、通常のテレビ放送のなかで、不当な迫害を受ける法輪功の無実と真相を伝える内容が挿入された出来事と、それに関係した法輪功学習者を中国共産党が拷問のうえ惨殺した事実に、再び注目が集まることになった。

 墓穴を掘った中国共産党

 台北のIT関連企業に勤務する鐘鼎邦さんは、6月15日に親族訪問のため中国入りしていた。同月18日、帰国の直前に江西省の空港で中国公安当局によって連行される。その時、当局は「法輪功の調査に協力してもらう」と説明していた。当局は、鐘さんが台湾の法輪功学習者であることを事前に把握していたとみられるが、それだけで拘束される理由にはならない。

 拘束の理由について新華社は26日、鐘さんが「大陸に、放送電波ジャックの機材を郵送した。さらに専門設備を用いて、大陸テレビ局の衛星放送電波を妨害した」と報じた。また、「彼(鐘さん)は中国国家安全部、および610弁公室(法輪功を取締る専門組織)に強制連行され、現在も監視下にいる」と伝えた。

 ここでいう「電波ジャック」とは、テレビやラジオの放送と同一周波数の電波を発することにより、視聴者に向けて別の映像や音声を流すこと。中国語では「挿播(チャーボ)」と呼ばれる。

 鐘さんが実際にその行為を行ったかどうかは、現時点では不明である。

 一方、過去において、中国大陸にいた法輪功学習者が中国国内放送への「挿播」を行ったのは事実である。ただし、そのことを口実にして鐘さんを拘束したとする今回のケースは、逆に中国側の措置の正当性が問われるとともに、13年間にわたり法輪功学習者に対して行ってきた不当かつ残虐極まる迫害の実態について、多くの人々に再び想起させることになった。

 その意味において、中国共産党は自ら墓穴を掘ったのである。

 中共こそ「電波ジャック」の元凶

 今から10年前の2002年3月5日、中国東北部の長春市で、現地の法輪功学習者によるテレビ放送への「挿播」が2回行われた。

 1回目は午後6時15分ごろから約5分間。2回目は午後7時55分ごろから約45分間である。流されたのは、「法輪大法洪伝世界(法輪大法は世界に広まる)」と「是自焚還是騙局(焼身自殺か狂言か)」の2種類の動画映像であった。

 前者は、中国共産党に「邪教」と決めつけられ凄惨で理不尽な迫害を受ける法輪功(ファルンゴン)が健全な気功修煉法であり、そのすばらしさによって多くの人に愛好され、全世界に広がっている様子を描いたもの。後者は、2001年1月23日に北京の天安門広場で起きたとされる「法輪功学習者の集団焼身自殺事件」について、中国中央テレビ(CCTV)の映像を客観的に分析し、その数々の矛盾点を指摘して、同事件が法輪功に汚名を着せるために仕組まれた「狂言」であることを証明したものである。

 正常な国家であるという前提において、公共放送に対し、このような行為を行うことはもちろん許されない。

 しかし中国共産党統治下の現在の中国においては、その前提そのものが成立しないのである。

 中共は、テレビ、ラジオ、新聞など国内の全てのメディアを党の管制下に置くとともに、これらの媒体を自らに都合のよい「道具」として、きわめて恣意的に利用してきたからだ。

 このような正邪の逆転した異常な国家においては、物事の是非を、正常な国家の通念によって判断してはならない。

 つまり、中共こそが60数年の長きにわたって「電波ジャック」をしてきた元凶であり、その鉄のカーテンを突破して真相を伝えようとした法輪功学習者の勇気ある行為は、暗闇に一筋の光をもたらす正当なものであったと言えるのである。

 「真相伝え」の真意

 誤解を避けるために以下、2点について付記する。

 一つは、なぜ法輪功学習者が命を懸けてまで人々に真相を伝えるのか、ということだ。それは、迫害を受ける自分たちが助かりたいからではなく、ひとえに中共の虚言に騙されている衆生を1人でも多く救いたいという、彼らの強い一念からなのである。

 もう一つは、法律という観点から見て、彼らが法輪功を学ぶことに何の問題があるのかということである。中国にも憲法があり、国民の全てが遵守すべき法律がある。しかし、その法体系の上に中国共産党という1政党があり、それが強大な権力として国法を牛耳っている。

 中国の現行憲法第2章には、言論、出版、集会、宗教の自由など公民が基本的人権を有することが明記されている。法輪功は、いわゆる宗教ではなく、あくまでも修煉を通じて自己を向上させていく信仰とその実践であるが、宇宙の特性である「真善忍」をもって良い人になり、社会に貢献することを目指す彼らには、中国の法律に抵触するような反社会的な事実は一切ないのである。

 法輪功は、中国の現行法に照らしても全く合法的なものであり、本来、迫害を受けるべきものではなかった。だからこそ、迫害開始前の中国において、一般庶民から中共の高官まで、その数1億人ともいわれる人々に愛好されていた法輪功は、中国社会の安定と浄化に多大な貢献をしてきたのである。

 そのような法輪功が絶大な人気を集めたのは、当然の結果であった。しかし、それを狂気のように嫉妬するものがいた。当時の国家主席であり、中共のトップである中央軍事委員会主席であった江沢民である。

 中国人民から全く支持されない、中国史上もっとも暗愚といってよい政治家であった江沢民は、1999年7月、周囲の反対を押し切り、独断で法輪功弾圧を発動した。

 「世の人々に真相を伝えたい」

 以来13年、正邪を逆転させ、悪が善を暴力と虚言で抑圧しようとした法輪功への迫害は、今日も続いている。しかしその13年間に、江沢民が「3カ月で消滅させる」と豪語した法輪功は、消滅はおろか、迫害にも屈しない強靭さがますます証明され、全世界に広まったのである。

 先述したように、2002年の長春市の法輪功学習者による「挿播」は、言論や報道が封鎖された異常状態のなかにあって、人々に真実の光明をもたらすための正当な行為であった。

 この時、ケーブルテレビで30万戸に流されたその真実の映像を目にした人々は、約100万人と推定される。当然ながらこの一件は、中南海の江沢民派に衝撃を与えた。

 江沢民らは、法輪功取締りの専門機関である610弁公室、公安、警察、特務など、あらゆる国家権力を総動員し、法輪功学習者の違法摘発を血眼になって進めた。

 逮捕・拘束の理由など、いくらでも恣意的につけた。彼らには、法輪功学習者に信仰を放棄させることがノルマとして課せられたので、どんな残虐な手段でも用いたのである。

 長春市での「挿播」に関連して、5千人以上の法輪功学習者が逮捕された。そのうち「挿播」に主として関わった15人については、正当な法的手続きも審理もなく、4年から20年の懲役刑が科せられた。15人のうち、すでに8人が服役中に受けた拷問・虐待によって死亡している。

 8人の勇気ある法輪功学習者の1人、雷明さんは、2006年8月6日に死亡。体重が30キロほどになった雷さんが息を引き取る際、かすかな微笑みのなかで述べた最後の言葉は、「世の人々に真相を伝えたい」であったという。

 もう1人、懲役19年という「判決」を受けた梁振興さんは、10年近い服役中の2010年5月1日に死亡。

 梁さんばかりでなく、不当判決によって服役させられた法輪功学習者の全員に強いられるのは、一般刑事犯のような懲役としての労働ではなく、むしろ「法輪功への信仰を放棄する」という書類へのサインである。

 当然、法輪功学習者は断固としてこれを拒否する。そこで、まさに前世紀的な、ありとあらゆる拷問・虐待が行われることになる。電撃棒、爪への竹ひご刺し、吊るし上げ、ベッドに大の字に縛りつける「死床」。眠らせないため、金属のバケツを頭にかぶせて叩き続ける拷問もある。

 書類にサインをさせるのが目的であるから、瀕死の状態になっても、鼻からチューブを通して食物を流し込んだ。梁さんは、そのような悪魔的な虐待を続ける看守らに向かって、「法輪大法はすばらしい。あなたも、そのことを忘れないでください」と、最後まで語り続けたという。

 これが2002年の「挿播」の真実であり、全ての法輪功学習者が、どれほどむごい迫害を受けても語り続ける真相なのである。

 自分を暴行する相手さえも、なんとか改心させて救おうとする法輪功学習者。その無限の努力である「真相伝え」が今、中国国内および全世界で実を結びつつある。

 台湾から親族訪問で大陸を訪れた鐘鼎邦さんを、このまま不当拘束し続けるならば、中国共産党が自ら掘った墓穴が、ますます大きくなることは間違いない。

(翻訳編集・牧)


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