世界最大のiPhone生産拠点、鄭州の洪水に注目

世界最大のiPhone生産拠点、鄭州洪水に注目
 

鄭州にはフォックスコン日産などの有名外資系企業の工場があり、特にフォックスコン鄭州工場は世界最大のiPhone生産拠点となっています。 鄭州での洪水発生後、フォックスコンの公式発表では生産停止について言及していませんでしたが、メディアの報道により、フォックスコンの鄭州工場が操業停止に追い込まれたことが明らかになり、日産の鄭州工場も一時的に操業停止となりました。

フォックスコンは、鄭州に3つの工場を持っています。 フォックスコンの鄭州工場は、90以上のiPhone生産ラインを持ち、約35万人の従業員を抱え、世界のiPhone生産の約半分を担っています。

フォックスコンは、7月20日夜、中国の「21世紀経済報道」の記者に対し、「現在の運営は正常で、引き続き状況を監視していく」と述べました。

さらに、フォックスコンは21日、澎湃新聞の記者に「鄭州洪水に対して、グループはいち早く対応体制を確立させ、仲間の保護を第一原則とし、従業員のケアと安全生産を継続して行っている。現在、鄭州工場内の人員は安全で、洪水の変化に応じて運営を調整していく」と述べました。

大紀元記者は22日、フォックスコンの鄭州工場に電話をかけましたが、工場側は応答せず、すぐ切断されました。そこで、フォックスコンの深圳工場にも電話をかけましたが、鄭州の状況はよくわからないので、後でもう一度かけ直すよう勧められました。

フォックスコンの鄭州中牟県工場に1800人が滞留し、一時水も電気も食べ物もなかった
 

7月22日、鄭州経済放送によると、フォックスコン中牟県工場には一時1800人余りの従業員が取り残され、700人の労働者が24時間以上足止めされ、水も電気も食べ物もなかったと報じました。

「鳳凰週刊」傘下の「鳳凰WEEKLY財経」は、22日正午中牟県工場の労働者1人が「7月20日の夕方から多数の労働者が工場に強制的に足止めされ、高層階に移動した。滞在中は水も電気もなく、食料も限られていた」と述べたと報じました。

22日午後2時の時点で、400人が工場から出られず、電波が途絶え、閉じ込められた労働者と連絡が取れない状態でした。午後5時頃には、足止めされていた労働者たちはほぼ解放され、帰宅し始めました。

報道によると、フォックスコン中牟県工場は7月21日から操業の一時停止を余儀なくされ、22日午後5時の時点でも操業を見合わせており、再開がいつになるかは通知を待っているといいます。

フォックスコンの鄭州最大の工場である空港工場では、7月21日に一部の労働者が作業を停止しました。1階にある作業場の一部が水に浸かり、故障で停電になった作業場もありました。

分析:iPhone生産に深刻な影響、フォックスコンはリスク分散を検討か
 

金融学者の司令氏はラジオ・フリー・アジアのインタビューで、鄭州での洪水はiPhone生産に深刻な影響を与えるだろうと述べ、フォックスコンがリスクを分散するためにiPhoneの生産拠点を再考する可能性があると予想しています。

彼は、「今回の洪水により、多くの労働者が通勤困難になり、職場に復帰できなくなるだろう。iPhoneの組み立ては労働集約的な作業であり、水害で携帯電話の組み立てに大きな支障が生じる。iPhoneの世界的な供給に影響が出て、今後3か月は生産量が不足する可能性がある」と述べました。

「フォックスコンは、中国と同時期に洪水被害が発生しないインド、ベトナム、タイ、フィリピンなどの代替的なiPhone組み立て拠点を探すかもしれない」と金融学者の司令氏は述べました。

 

日産自動車の鄭州工場も操業停止に追い込まれた
 

鄭州のもう一つの大手外資系企業、日産自動車も洪水で大きな被害を受けています。日産の中国担当者によると、日産は鄭州の生産拠点を一時停止しており、その他の状況は合弁会社に確認中だといいます。

日産の中国合弁会社である東風グループは「第一財経」に、東風の鄭州拠点の人員は全員無事であり、豪雨の影響を受けた日産鄭州中牟工場と東風日産の鄭州支社の一部では、緊急救助活動が行われていると明かしました。

合弁会社「東風日産」によると、東風日産の鄭州工場の従業員と家族に死傷者は出ていないが、一部の工場設備がある程度の影響を受けており、具体的な被害状況についてはさらに調査・評価中だとしています。鄭州市内には計11の専門店があり、雨が続いているため、各店の被害状況を詳しく集計する必要があります。

(翻訳 源正悟)