流行語で読み取る激変の中国(64)

【大紀元日本12月15日】2010年もいよいよ残すところ後わずか。今年、中国は上海万博や広州アジア競技大会を開催し、大国ぶりをアピールする一方、さまざまな問題を抱えつつ激変した。特に、人間関係や価値観の変化が際立った一年だった。

社会的な変容が多ければ多いほど、それらをリアルに反映する流行語が大量に生み出される。ユーモラスながら、物事の本質に迫る傑作も少なくない。

年末にあたって、本年度に誕生した新しい流行語を総括し、その中の代表的なものを紹介する。今回から始まるシリーズは、第50回に紹介した「2010年 最新流行語」の続編である。

23、老子不打你,你不知道我文武双全。

△ 貴様を殴らなければ、俺様が文武両道に優れているのがわからないだろう。

注釈=現代の中国では、文化人やインテリでも暴力をふるう傾向がある。

24、我又不是人民幣,怎麼能譲人人都喜歓我?

△ わたしは一万円札ではないのだから、どうして皆から好かれるだろうか。

注釈=結婚適齢期を過ぎた独身の男女、または官僚たちが自弁する時のセリフ。

25、心里有座墳,葬着未亡人。

△ 心には墓があり、中には生きている人を葬っている。

注釈=憎悪の深刻さがうかがえる一句である。

26、要麼残、要麼残忍。

△ 身体障害がなければ、暴力を振るうべきだ。

注釈=「残」は「残疾」の略で、身体障害のこと。身体障害者であれば、社会における活躍や出世は見込めないが、ひどい暴力を加えなければ絶対に目標を達成できないという意味。

 27、雖然你身上噴了古龍水,但我還是能隠約聞到一股人渣味児。

△ 貴様の体に香水をふりかけても、人間のくずの匂いがかすかに残る。

注釈=人間のくずという言い方も流行している。

28、理想很豊満,現実很骨感。

△ 理想はグラマーだが、現実は痩せっぽちである。

注釈=痩身ブームの中、骨が感じられる「骨感」という新語が何年か前に誕生した。今はすでに痩身または痩身美人として定着している。

29、我們的目標是:向銭看,向厚賺。

△ 我々の目標は金を儲けること、または儲けることだ。

注釈=軍隊などで整列する際に、「立正」(きをつけ)「少憩」(休め)「向前看」(なおれ)「向後転」(回れ右)などの号令がある。これらの号令と音韻を掛け合わせ、拝金主義をからかうものである。

30、西遊記告訴我們:凡是有後台的妖怪都被接走了,凡是没後台的都被一棒子打死了。

△ 『西遊記』は我々に次のことを教えてくれた。後ろ盾のある者はみな妖怪に救い出されたが、後ろ盾の無い者はみな棒で打たれて死んだ。

注釈=汚職、横領した官僚の現状を表している。彼らの運命は、まさにこのように二分される。