ローマ法王、クリスマスミサで中国の信仰自由抑圧を非難

2010/12/28
更新: 2010/12/28

【大紀元日本12月28日】ローマ法王ベネディクト16世は25日、バチカンのサンピエトロ広場で世界に向けた恒例のクリスマスメッセージを贈った。法王は、スーダンのダルフール、ソマリアなど世界中の政情不安定地区にいる人々に激励の言葉を贈り、イスラエルとパレスチナの平和的共存を呼び掛けるとともに、宗教と信仰の自由を抑圧する中国当局を譴責した。

法王は中国のカトリック教徒に対して、「中国当局の宗教信仰の自由への抑圧に勇敢に向き合うよう」励まし、「救世主の誕生は中国教会に信仰、忍耐と忠誠を強める勇気を与えるよう願います。そうすれば、宗教及び信仰の自由が抑制されることで気落ちしてしまうことなく、反対にその抑制に屈さないで、主と教会に対する忠誠が持ち続けられます。希望の炎が燃え続けるよう祈ります」と語った。

中国とバチカンの間では、先月、中国が独自に全国人民代表大会の代表を司教に任命したことで緊張が高まっている。今回のメッセージの中でも法王は、差別と迫害を受けている信者に強い意志が与えられるよう祈り、政治と宗教のリーダーたちに対して、全ての信教の自由を尊重するよう呼び掛けた。

法王のメッセージを聞くために約10万人がサンピエトロ広場を埋め尽くした(Getty Images)

今年のクリスマスミサに世界中から約10万人が集まった。昨年のミサで不審者に体当たりされて法王が横転した騒ぎや、23日にローマにある外国大使館で起きた郵便小包による爆発事件などを警戒し、今回はバチカン側がセキュリティの強化を図り、ミサは終始厳かな雰囲気の中で行われたという。

(翻訳編集・豊山)
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